午夜剧场

慶應義塾

自らの変化が、経済学者として看过できない研究テーマとなった。

登场者プロフィール

  • 大垣 昌夫

    経済学部 教授

    研究領域 : マクロ経済学、国際金融、計量経済学、 1988年 シカゴ大学経済学部博士課程修了ロチェスター大学経済学部助教授、 1994年 オハイオ州立大学助教授、 2002年 オハイオ州立大学教授、 2003?09年 Journal of Money, Credit, and Banking誌のEditor、 2009年 慶應義塾大学経済学部教授

    大垣 昌夫

    経済学部 教授

    研究領域 : マクロ経済学、国際金融、計量経済学、 1988年 シカゴ大学経済学部博士課程修了ロチェスター大学経済学部助教授、 1994年 オハイオ州立大学助教授、 2002年 オハイオ州立大学教授、 2003?09年 Journal of Money, Credit, and Banking誌のEditor、 2009年 慶應義塾大学経済学部教授

自らの経済行动の変化が研究のきっかけに。

现在、研究に取り组んでいるテーマは、世界観とそれが経済行动に及ぼす影响についてです。自分自身の世界観が変わり、それに伴って行动までもが変わったという経験が、研究のきっかけとなりました。具体的に言うと、思いがけずクリスチャンになったということです。大学生のころまでは、强い信念を持った无神论者でした。クリスチャンになったことで、自身の経済行动が変化しました。経済学者として、これは探究しなければいけないと考えたわけです。

たとえば、クリスチャンは献金という行动をとります。献金することによって贫しい人の消费行动が促されます。私自身は、クリスチャンになるまでは、自分が死んでから子供たちが事故にあったりして苦しむ可能性ということを考え、子供たちに遗产を遗すということを重视していました。自分の子供たちが苦しむ可能性があるので、他人のための献金など、ほとんど考えもしなかったのです。しかし、クリスチャンになって、「苦しみ」をどう见るかという世界観が変わりました。苦しみには必ず人格形成などの意味があり、嫌なものであっても、怖れる必要はないと思うようになりました。すると遗产を减らして、献金をすることになります。このような遗产と献金のトレードオフや、苦しみをどう见るかという世界観の行动への影响が、正面から取り组むべきテーマであると考えたのです。

世界観と経済行动との関係を掘り下げる。

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世界観と献金行动やボランティア行动などに関するアンケート调査と、実际に约5千円を被験者に渡して、そのうちどれだけを慈善団体に寄付するか、家に持ち帰るかを选択してもらう経済実験を行っています。こうした调査を通じて、个人の行动だけでなく、遗产、贮蓄率、成长率などの视点から、世界観の経済全体への影响も明らかにしていきたいと考えています。谁かの所得は、献金することで减っていく。例えば、遗产が减るということです。では、减った分はどこに行き、経済にどのような影响を及ぼすのか。一方、世界観は宗教ともかかわるテーマで、たとえばトルコはイスラム教信者の多い国ですが、クリスチャンもいます。世界観による経済行动の违いについて、様々な宗教の信仰がある国々で国际比较も行なっていきたいと思います。

私は、シカゴ大学で経済学を学びました。シカゴ学派は、市场に任せるという経済原则を絶対视している侧面が强いです。私自身の変化から、そのような絶対视は、间违った考えではないかと思うようになりました。キリスト教の中心には敌を爱するという教えがあります。だからこそ、人々を助ける、献金という行动も合理的なものとなるのです。こうしたことも含め、世界観と経済との関係を掘り下げてみたいのです。

学生たちに「何のために生きているのか」を问いかけていってほしい。

庆应义塾大学の学生たちには、自分は何のために生きているのか、などの深い问いかけをしていってほしいと考えています。头で理解できるような答えはみつからないかもしれない。それでも、妥协せず、深い问いと向き合って、答えを求めていってほしいと思います。

庆应义塾大学は、日本の中でもユニークな大学ではないかと思います。福沢諭吉の有名な「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」という言叶は、人间は造られたという世界観を示しています。ミッション系ではない大学に、そうした建学の精神が息づいているところに、庆应义塾大学の重要な特性があるとも考えています。西洋は一点集中のものの见方をしますが、东洋では全体を见ようとします。西洋のキリスト教の理解をそのまま东洋に持ってくるのは、やはり无理があります。东洋独自の真理の人间的理解―世界観を探求しようとするべきです。庆应义塾大学は、その点でも日本をリードしていく大学なのです。新しい日本のリーダーを养成する大学ともいえるでしょう。単により良い就职へ导く教育の场ではなく、学生たちがもっと深いところで自问自答する机会と探究の方法を提供できる大学だと考えています。

(2009年12月17日取材)

※プロフィール?职位はインタビュー当时のものです。