登场者プロフィール

穂刈 享
経済学部 准教授研究領域 : ゲーム理論(協力ゲーム)、数理経済学、 京都大学経済学部卒、 ロチェスター大学 Ph.D、 2002年 筑波大学社会科学系 講師、 2004年 筑波大学人文社会科学研究科 助教授2009年より現職

穂刈 享
経済学部 准教授研究領域 : ゲーム理論(協力ゲーム)、数理経済学、 京都大学経済学部卒、 ロチェスター大学 Ph.D、 2002年 筑波大学社会科学系 講師、 2004年 筑波大学人文社会科学研究科 助教授2009年より現職
协力ゲームの面白さって、なかなか分かってもらえないんです。
私の専门は「协力ゲーム」です。协力ゲームでは、复数のプレイヤーが协力することにより得られる利益をどのように配分するかという问题を考えるのですが、その际に、配分ルールが満たすことが望ましい诸性质をそれぞれ「公理」として定式化し、様々な公理の论理的な関係や両立可能性について调べるのがいわゆる「协力ゲームの公理的分析」です。
そうした点では、社会的意思决定のルールについての民主主义的な几つかの要请の论理的帰结として独裁者が存在することになってしまうことを証明した「アローの定理」で有名な、「社会的选択の理论」の分野と内容的にも方法论的にも非常に近いことを研究していることになります。
ゲーム理论は一応、「非协力ゲーム」と「协力ゲーム」からなるということになっているのですが、一般的にゲーム理论といえば非协力ゲームのことを指し、协力ゲームの方は専门家も少なく非常にマイナーな分野なのですが、いくつもの重要な问题が未解决のまま残されていてとてもやりがいのある分野です。
研究环境って大事だなあとつくづく思います。
ここ数年は小手先だけの论文ばかり书いていて、研究しているふりをしていただけのように思うのですが、この大学に移ってから、忘れかけていた研究意欲がふつふつと涌いて来て、何年间もほったらかしになっていた问题のいくつかに再び取り组み始めました。月曜日の数理経済学のセミナーに时々参加させてもらっていることと大学院の演习で协力ゲームの授业をしていることが刺激になっているのかと思います。せっかくいい环境にいるので、小手先のテクニックでごまかして形だけ何とか整えたような研究ではなくて、数年かけてやっと答えが见えてくるような重要な未解决问题にじっくり取り组みたいと思っています。
研究以外では、数年前に出張先の本屋でたまたま見つけたRoger Penrose の"The Road to Reality"という本がきっかけで、物理学関係の本をよく読んでいます。ゲーム理論やミクロ経済学を専門にして数学を使って論文を書いたり講義をしたりしていると自分は数学のことをよく知っていると勘違いしてしまいがちなのですが、こうした物理学の本などでは「共変微分」やら「Lie微分」といった聞いたこともない数学がでてきて、よくわからなければ良さそうなテキストを探して読んだりして、結構楽しんでいます。
大学院レベルのミクロ経済学では「微分位相几何学」を使うことがあるので、そのさわりぐらいは勉强したことがあるのですが、ある本に「アインシュタインの一般相対性理论では微分位相几何学を使っている」と书いてあるのを読んで、それだったら一般相対性理论を理解するための下準备はできているのかもしれないと思い、アインシュタインの论文や重力理论の教科书を読んでみたところ、使われているのは私が知っているものとはレベルが违うものであることが判明し、また一から勉强し直しています。最近ではいわゆる「テンソル计算」にも惯れてきて、ディラックの『一般相対性理论』の最初のほうならなんとか理解できるようになりました。
数学が得意な人も、そうでない人も。
学部の授业は今はゼミだけで、秋から日吉のミクロ経済学を教えることになっています。中级レベル以上のゲーム理论やミクロ経済学では数学を使うことが多いので、それだけで勉强するのを断念してしまう人も多いのですが、重要なのは「难しそうな数学を使ってごちゃごちゃやっているけど、本质的にはこういうことをやっているんだ」ということを理解することだと思います。この手の説明はわりと得意なほうなので、ゼミや他の授业の际に「ここのところは数学的に难しそうだけども面白そうだからわかりやすく説明してほしい」とか何とか声をかけていただければ、お役に立てるのではないかと思います。
(2009年5月28日取材)
※プロフィール?职位はインタビュー当时のものです。