登场者プロフィール
井手 英策
経済学部 准教授研究領域 : 財政社会学、地方財政論、中央銀行政策史、 1995年 東京大学経済学部卒業、 2000年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学日本銀行金融研究所東北学院大学、横浜国立大学にて奉職、 2006年 コロラド大学客員研究員2009年より現職
井手 英策
経済学部 准教授研究領域 : 財政社会学、地方財政論、中央銀行政策史、 1995年 東京大学経済学部卒業、 2000年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学日本銀行金融研究所東北学院大学、横浜国立大学にて奉職、 2006年 コロラド大学客員研究員2009年より現職
&辩耻辞迟;真理にのみ忠実であれ&辩耻辞迟;人びととの出会いが、进路を决めさせた。
私の専门分野である财政社会学は、日本ではまだ知る人が少ない分野です。财政社会学とは、政府が国民から税を集め、その使い方を议论する财政学の成果を踏まえて、「お金の使い方によって、社会や人の心にどのような変化が表れるか、それが财政にどういう影响を与えるか」を考察するというものです。
例えば、「政府は税金を无駄遣いしている」と感じている人は多いのではないでしょうか。しかし日本の财政を见てみると、実は、この间、歳出はさほど増えていないのです。それなのに、赤字はいっこうに减っていない。ということは、歳入にあたる税金が不足しているのだと分かります。ここで疑问が生じます。人びとが政府にお金を払いたくないのはどうしてなのか、政府は无駄遣いばかりしていると思うのはなぜなのか、と。
この问题をどう考えればいいのかと悩んでいたとき、「人は政府を信じているのか」という&辩耻辞迟;心の问题&辩耻辞迟;に気付いた。日本では今、格差社会が问题视されていますね。国民から「无駄遣いをしている」と不信に思われている政府は税金徴収を増やせない。とくに中间层や富裕层は负担者だから反対する。だから十分な対策がとれない。雇用や福祉问题に苦しんでいる人びとは、ますます政府を恨み、その人たちの救済コストはますます増大する…こんな悪い连锁が起こっています。実际は、政府は无駄を省こうと必死なのに、です。
私が、既存の枠にとらわれない研究に挑む背景には、大学院での多くの出会いが影响しています。社会人になる决心がつかず、軽い気持ちで大学院に进学したのですが、恩师や研究者仲间との交わりが「こういう职业につきたい」と僕に思わせてくれた。たとえば、民主主义の本质が多様性である以上、多様なものは多様なまま、あるがままにとらえる、ということを学びました。社会がそもそも多様な人で成り立っているのなら、社会の未来なんてわからない。だから自分の信念や思想を変えずにいれば、社会の変化に翻弄される必要もない。真理にのみ忠実であればよいという考えが根底にできた。自分が自分でいられる、そんな职业が学者なんだと気づいたのです。
社会と主体的に関わろうとする姿势は、学生たちの魅力。
庆应大学経済学部の特色の一つとして、教员のバリエーションが豊富なところが挙げられると思います。财政问题や歴史など、一つのジャンルに数人の先生がいますから、学生はいろいろな切り口で経済学を学ぶことができます。また、そういった多様性は、幅広い共同研究を可能にする。その分、世界に対して日本侧から情报発信するチャンスも増えるので、国际共同研究をやりやすい环境でもあると感じています。
経済学部の学生たちと接していると、社会と関わろうとする学生が多いことに気づかされます。素晴らしい长所です。だから、授业を通じて、その长所を伸ばしていけるようなサポートを行っていきたいですね。その际、必ず伝えたいのは、人间は社会に&辩耻辞迟;関わる&辩耻辞迟;のであって、自分が世の中を&辩耻辞迟;変える&辩耻辞迟;のではないということです。&辩耻辞迟;変えられる&辩耻辞迟;と思ってしまうと、人间は傲慢になる。大事なのはあくまでも&辩耻辞迟;主体的に関わる&辩耻辞迟;ことで、変化は结果。主体性を重んじる校风が脉々と息づいている庆应の経済学部ならば、学生たちはその长所をまっすぐに伸ばしていけるのではないでしょうか。
経済学は、社会を见る目を养う学问でもある。
経済学は、もともと社会科学の一分野です。ということは、経済学の専门家は社会科学者の専门家でもあるのです。社会を构成しているのは言うまでもなく人间ですから、&辩耻辞迟;社会をどう见るか&辩耻辞迟;は&辩耻辞迟;人间をどう见るか&辩耻辞迟;だと言える。そして、人间は支えあい、协力するものだという観点で経済を见る场合と、利益を最大化し、储けることがまずは大事だという観点で経済を见る场合では、见えてくる社会像は违うものになる。つまり、どのような人间観を持って経済を学ぶかが、极めて重要になるわけです。言い换えれば、経済を学ぶことは社会の见る目を养うことでもあるのです。
学生のみなさんには、本とじっくり向き合える大学时代を利用して、ぜひ&辩耻辞迟;古典&辩耻辞迟;と言われる経済书に挑戦して欲しいですね。古典を読むと「伟大な経済学者も、自分と同じようなことで悩んでいたのか」ということがよく分かる。その一方で、迷っていたことの答えを与えてくれたり、自分とは异なる「人间の捉え方」を示してくれたりもする。そうやって身に付けた社会を见る目は、正々堂々、「大学时代にこれを学びました」と言える粮になるはずです。そもそも、「学生」は「学んで生きる」と书くのですから。古典を通じて天才たちの&辩耻辞迟;格闘の跡&辩耻辞迟;を学んでください。
(2009年5月28日取材)
※プロフィール?职位はインタビュー当时のものです。