登场者プロフィール
中澤 敏明
経済学部 教授研究領域 : 産業組織論(経済と法)、 1972年 3月 慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、 1979年 5月 Ph.D.(Economics) University of Wisoconsin-Madison、 1980年 4月 慶應義塾大学経済学部助教授、 1989年 4月 慶應義塾大学経済学部教授同大学院経済学研究科委員
中澤 敏明
経済学部 教授研究領域 : 産業組織論(経済と法)、 1972年 3月 慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、 1979年 5月 Ph.D.(Economics) University of Wisoconsin-Madison、 1980年 4月 慶應義塾大学経済学部助教授、 1989年 4月 慶應義塾大学経済学部教授同大学院経済学研究科委員
変化を続ける产业や公司を通じて生きた経済を学ぶ。
40余年间、私が研究を続けてきた产业组织论は、1930年代にハーバードで起きた学问です。経済を产业レベルで分析し、「市场构造」「市场行动」「市场成果」の3つを、またこれらの相互関係を主な研究対象としていました。市场観のまったく违う、シカゴ学派との讨论の中から、竞争の机能への多面的な视覚が诞生しました。経済の中心的存在である公司を対象としていることもあり、1970年代以降、ゲーム理论や数理経済学の手法を用いた「新しい产业组织论」が诞生するなど、ものすごい势いで発展してきました。それだけに、生きた动态的経済を学べる领域とも言えるでしょう。
既存の学问が大きく発展すると、そこから新しい分野が独り立ちしてスピンアウトしていく例が少なくありませんが、产业组织论は、いろいろな研究の母体になっている学问でもあります。例えば、规制缓和の経済学は、かつて产业组织论に入っていましたし、コーポレートガバナンス(公司统治论)もまた、产业组织论が育んだ分野です。
私は长年、カリキュラムの中で产业组织论を教えてきましたが、経済学部で「経済と法」という讲座を设けることにも奔走もしました。経済活动が変貌を遂げるのを目の当たりにし、経済学部生が法律を补完的に学ぶ必要性を感じたからです。従来の学问分野を超えての连携が高いレベルで実现できるのも、ディシプリンとしての経済学の力だと思います。
学びの场にふさわしいキャンパス。
ある脳科学者が「脳がアイデアをはじきだすには、それにふさわしい场所がある」と言っていました。昔は、马上?枕上?厠上と言っていましたが、まさにその通りだと思っています。学问をするにも、人を囲う雰囲気がとても大事だと、このキャンパスに通いながら感じていました。
格调と落ち着きがある庆应のキャンパスには、アカデミックさがあるのです。长い歴史が育んできたものでしょうが、あえて分析すれば、これを创り出している施设の一つに、図书馆があります。いまは情报センターといわれますが、庆应はどこにも负けない充実した施设を夸っています。とても充実しており、学生も教员を、学习や研究の信頼に応えています。
また施设ばかりではなく、年轮を重ねた木々もまた、庆应のキャンパスを语るときには欠かせないものでしょう。ちなみにキャンパス中央にそびえる大きな银杏の木は、私が入学したころにも仰ぎ见た树ですが、あの银杏を见る度に、勉强で疲れた头を癒した懐かしい日々を思い出す翱叠も少なくないでしょう。どっしりとたたずむイチョウの木も、アカデミックなキャンパスも、変わらずにそこにある。この変わらぬ良さを継承し育んでくれるのは、ほかならぬ、ここで学ぶ若人たちなのです。
日本の「経済学部」は庆应から始まった。
福泽諭吉先生が学祖であることは、何物にも変えがたい资产だと思います。福泽先生が中津藩の通訳だったころ、イギリスのチェンバースの経済学の本を翻訳したときのエピソードを知らない庆应生はいません。当时はまだ、英语に対応する日本语がなく、江戸から明治にかけて多くの术语が、先覚者によって、工夫された訳で、どういう人がいるかは歴史を学んだ学生は良く知っていますが、福泽先生も重要な贡献者です。スピーチを「演舌」と訳されたのも皆知っていることですが、「コンペティション」もその一つだったわけです。先生は、コンペティションを「竞争」と訳したのですが、竞い争うとは何事だと、上から言われた。それもそのはずです、儒教の精神が强く、「仁」が大事とされる时代ですから。それでも福泽先生は、自らの考えを曲げなかったどころか、「竞争の良さ」を论じたと言います。なぜ竞争がとがめられるのか。竞争があるからこその発展だと。今の时代でさえ、竞争を忌避する人も少なくないのにと、その卓见に舌を巻くのです。
产业组织论も竞争を良しとする学问です。竞い合うことができるから、人も产业も、発展し成长していける。そのことを、产业组织论を研究する中で痛感すればするほど、福泽先生の先见性に深い感铭を覚えるのです。
そして、経済学部の先駆けとなる「理财」という学部をつくったのも福泽先生でした。経済学部生なればこそ、福泽先生が学祖であることに夸りを持ち、竞うことを恐れず、学び成长していくことを期待しています。
(2008年10月22日取材)
※プロフィール?职位はインタビュー当时のものです。