登场者プロフィール
津田 眞弓
経済学部 准教授研究領域 : 文学(国語国文)、 1987年 日本女子大学 文学部国文学科卒業、 1995年 日本女子大学大学院 文学研究科日本文学専攻 博士課程前期修了、 2001年 日本女子大学大学院 文学研究科日本文学専攻 博士課程後期修了2008年4月より現職
津田 眞弓
経済学部 准教授研究領域 : 文学(国語国文)、 1987年 日本女子大学 文学部国文学科卒業、 1995年 日本女子大学大学院 文学研究科日本文学専攻 博士課程前期修了、 2001年 日本女子大学大学院 文学研究科日本文学専攻 博士課程後期修了2008年4月より現職
それは、当时のテレビドラマであり、マンガだった。
近世后期(19世纪前半)の小説。中でも、江戸で作られていた「草双纸」(くさぞうし)という浮世絵と兄弟のような関係にある絵本の研究に携わっています。
草双纸では挿絵と文章が同じページに混在し、双方が响き合って豊かな世界を作っています。絵巻の流れを汲むこのジャンル、ご覧になればきっと、マンガの祖先だとお感じになることでしょう。17世纪の半ばから200年以上も人々に爱されたのですが、特に19世纪に入ってから、物语として、また极彩色の锦絵(にしきえ)を用いた表纸をつけるなどビジュアルの面で飞跃的に発展しました。木版印刷の技术も向上し、美术品としても兴味深いものです。一方、市川団十郎など人気歌舞伎役者の似颜絵で登场人物を描いたりもしたので、现代日本におけるテレビドラマのような存在でもあったのではないでしょうか。
娯楽的かつ大众的なジャンルですが、身分の上下に関わらず、多くの人々を热中させていました。出版市场の商品として生み出されていく大量の草双纸は、まさに时代を映した镜です。
同时に、草双纸は古典文学の伝统も踏まえていて、日本文化のエッセンスを感じることができます。和洋を问わず、面白いものを摂取して豊かさを生み出すバイタリティが日本にはありました。そんな柔软な日本の価値観について考察してみるのも面白いものです。
幸いなことに、数多くの文献が现存しています。はるかに时代を超え、当时の人々が楽しんでいたであろうものと同じものを目にすることができるのです。しかも、庆应义塾大学には贵重な文献が多数存在しています。そうした资料を通じて、现代に通じるさまざまなテーマに取り组んでいきたいと考えています。
现代が注目すべき、自由な発想と先进性があった。
草双纸というメディアが飞跃的に発展したプロセスを见ると、白黒からカラーへと移っていくテレビ番组の変迁や、ビジュアルの面でのインターネットの进化とオーバーラップする部分があって、とても兴味深く思っています。
印刷物としても、例えば、板に絵や字を彫る木版印刷は、纸面を自由に使うことができるという点では、活字印刷を超えて、むしろ今のパソコンの(※1)顿罢笔に近いのです。
私たちの周囲を见渡すと、未だ一つ一つ活字を组んで作っていた活字印刷の呪缚から解放されていないところがあります。技术が进化し、もっと自由な発想で誌面の割付が行えるにもかかわらず、です。
一方、江戸时代の草双纸では、文字を大胆に配置することがありました。雨が降るカタチに、あるいは明かりの筋に模して、また时に富士山の姿に――。文字も絵の中に取り込んで、とても自由な発想で楽しんでいたのです。
このほか、演剧?絵画?広告?商品との融合など、现代でいうメディアミックスも盛んに行われていましたし、今に通じることはいろいろあります。ぜひ、今目の前にあるものだけが新しいのではないということを、皆さんに伝えていきたいですね。200年前の絵本から、现在や未来に有効なヒントを见出すことができるかもしれません。
学生だけでなく、私も刺激的な环境を楽しんでいる。
2008年の4月から现职に就きましたが、大所帯の経済学部はその中だけでも多种多様な研究者がいて、そうした方々に囲まれて、日ごろ见たり闻いたりする情报の幅がぐんと広くなりました。それに日吉キャンパスでも日々さまざまなイベントや讲演会が开催されています。私もあちこち足を运び、思いがけない気づきにずいぶん触発されました。学问的な探究心や大学生活の充実を求めようとすれば、庆应义塾大学は非常に刺激的な环境だと実感しているところです。
また江戸文学に携わっていることから外国语の先生からお诱いをいただき、一绪に浅草见物などへ出かけることがあります。特に外国人の先生から思いもよらぬ质问をされ、改めて日本や江戸を考える良い机会になっています。
私自身、庆应义塾大学の経済学部での日々を楽しんでいるといったところでしょうか。
※1 デスク?トップ?パブリッシング。パソコンを使用して、出版のために行うさまざまな作業のこと。原稿の作成、デザイン、レイアウト、版下作成など印刷までの一連の作業を意味する。
(2008年10月28日取材)
※プロフィール?职位はインタビュー当时のものです。