登场者プロフィール
新島 進
経済学部 准教授研究領域 : フランス文学、 1994年 慶應義塾大学文学部仏文科卒業、 1997年 慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程フランス文学修了、 2004年 レンヌ第二大学博士課程 芸術、文学、コミュニケーション学科修了2008年より現職
新島 進
経済学部 准教授研究領域 : フランス文学、 1994年 慶應義塾大学文学部仏文科卒業、 1997年 慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程フランス文学修了、 2004年 レンヌ第二大学博士課程 芸術、文学、コミュニケーション学科修了2008年より現職
フランス文学から、现在の日本を见てみる。
専攻は近现代フランス文学で、なかでもレーモン?ルーセルという诗人、作家について研究してきました。ここ数年は、ルーセルが崇拝していたジュール?ヴェルヌを体系的に読んで、両者の影响関係について考察しています。より大きな研究课题は、この二人も深くかかわっている「独身者机械」という一芸术潮流で、これは「自由研究セミナー」という授业でとり扱っています。
ここでいう独身者とは、婚姻というシステムを逃れ、生身の异性よりは人形や机械といったものに幻想的な爱を求める精神の持ち主です。近代の产业社会の発展につれてこうした独身者は数を増やし、そのなかから「独身者机械」と定义される文学、芸术作品が生まれてきました。私はさらに、この「独身者机械」が今日の社会にどう継承されてきたのかという点にも関心を持っています。たとえば现代日本における「おたく」は、もしかしたら近代的独身者の末裔なのかもしれない。あるいは逆に违いがあるとすればそれはなにか、そういったことをさまざまな文学、映像作品などから考察しています。
音楽という趣味を通じた交流。
庆应に入学した当初は自分で创作をしたくて、所属していた厂贵研究会というサークルで小説を书いてみたりもしました。ですが日吉で授业を受けるうちに、いかに自分が文学というものに无知であるかを痛感したんですね。それで书くことよりも知ることに兴味が移っていきました。
本格的に研究者を目指すきっかけとなったのは、20歳の顷に読んだルーセルの『ロクス?ソルス』です。それまで読んできた小説作品の常识をくつがえす内容に、たいへんな衝撃を受けました。どうも私は元来、なにか常轨を逸したものが好きな性分のようですが、ともかくそれ以来、ルーセルにとりつかれて今に至ります。
あと学生时代にはバンドを组んで叁田祭に出たりもしました。音楽は今でも続けていて担当はギターです。ちなみに好きなジャンルはヘヴィメタルなんですが、バンドでは日本の70年代歌謡风オリジナル曲をやっています。学生と音楽の话をするのは楽しいですし、ときにはバンドをやっている学生のライブに足を运ぶこともあります。そんな趣味を通じての交流は、これからも大切にしたいと思っています。
大学だからこそ「学び」の面白さを提供したい。
私の主な担当科目はフランス語です。経済学部では語学の学習に力を入れていて、一年生では第二外国語が週3コマ必修、ネイティヴの教員も多数います。これだけの環境がそろい、ただし語学教室とは違う、教員の専門分野と結びついた授業を受けられるのが大学の利点ですから、ぜひ4年間でフランス語を ――もちろんほかの言語でも―― モノにしてもらいたいですね。社会に出てからこんな贅沢はめったにできないでしょう。
それと同时に経済学部に入学する学生には「学ぶ」楽しさを味わってもらいたいたいと强く思っています。大学での讲义を受験「勉强」の延长とは考えず、生徒から学生になるんだということを自覚してもらいたい。大学は大众化したといわれますが、その本来の役割は今も「学び」の场であることのはずです。特に日吉には多様な分野の専门家が集っていて、入学时に配布される讲义要纲の厚さには惊かれると思います。选択の幅は本当に広いのです。
そのなかで、とかく文学などの「教养」は、実社会に出たとき直接的に役立つものでないだけにおろそかにされがちです。けれど、一见无駄に见える教养こそが「人」や社会を支えるものだと私は思うのです。これからの长い人生、実学と要领の良さ、物质的な豊かさだけでは乗り越えられないような壁にぶちあたることが必ずあるはず。そんなときそれまで培ってきた教养が心の粮になるのだと思います。
経済学部にはそんな「学び」の场があります。サークルやバイトで人间関係を磨くことも大事ですが、自分が真に面白いと思える「学び」とぜひ出会ってもらいたいですね。私も、そんな出会いを数多く演出するために、自らの「学び」をきわめていこうとがんばっています。
(2008年10月22日取材)
※プロフィール?职位はインタビュー当时のものです。