执笔者プロフィール

梅泽 佑介(うめざわ ゆうすけ)
関东学院大学経済学部専任讲师専門分野/ 西洋政治思想史

梅泽 佑介(うめざわ ゆうすけ)
関东学院大学経済学部専任讲师専門分野/ 西洋政治思想史
「売れているものが良いものなら、世界一うまいラーメンはカップラーメンだ」。ネット上でよく目にする、ある着名なミュージシャンが言ったとされる言叶です。出典は不明ですが、注目すべきは、この言叶を「説得力ある名言」として捉えている人が相当数いるということでしょう。
私自身、これまでの人生の少なからぬ部分を、アメリカンフットボール、ブルータルデスメタル、そして政治思想史と、ことごとく「人気のないもの」に捧げてきました。冒头で触れたラーメンもまた私の青春の一部です。高校时代、夏休みのアメフト部の练习后は毎日のようにヒヨ里でラーメンを食べていました(ちなみにカップラーメンも大好きです)。ですがそんな私でも、365日ラーメンを食べている评论家ほどには、ラーメンの味を判断する舌に自信はありません。私は新しいラーメン屋を探すとき、年に一度しかラーメンを食べない人の意见よりも、ラーメン评论家の意见を参考にします。「意见」には质的差异があると考えているからです。
しかし、私たちが採用している「民主主义」という政治制度においては、すべての意见が同じ「一票」としてカウントされます。民主主义は「政治的平等」という重要な価値を実现する一方で、「専门知」という别の重要な価値を犠牲にしてしまうのではないか。そのような问题関心から、最近、『民主主义を疑ってみる──自分で考えるための政治思想讲义』(ちくま新书、2024年)という本を出版しました。
いかなる手法であろうと、とにかくより多くの票を获得した者が基本的には当选するのが民主主义国における选挙ですが、このような原理原则は制度的次元にとどまらず、社会の风潮にも见出すことができます。みんなが「良い」と思っているもの、谁でも価値を理解できるものこそが「良いもの」である。こうした価値観に対する违和感を表明したのが、先ほどのミュージシャンの言叶でした。
「大学」とは、世间のそうした倾向に対する抵抗の拠点です。大人になると珈琲が旨く感じるように、世の中にはその価値を理解するのに多少の苦労や成长を要する物事がたくさんあります。新しい领域の価値や魅力を知ること、そのような意味での「成长」の手助けに携われていることに、いま私は幸せを感じています。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。