执笔者プロフィール

柳瀬 典由(やなせ のりよし)
商学部 教授専门分野/保険?ファイナンス

柳瀬 典由(やなせ のりよし)
商学部 教授専门分野/保険?ファイナンス
2018年10月、中国のアリババ?グループが会员向けに医疗保障を行うサービスを开始、わずか1年で加入者は1亿人を突破した。惊异的なスピード成长だ。最大の特徴は、一般的な保険と异なり、加入时には掛け金の拠出は不要、支払い事案が発生した后に给付金の支払额と管理费の合计を加入者间で「割り勘」する点にある。兴味深いことに、実はこの仕组みの基本形は、福泽諭吉先生によってわが国に保険が绍介されるはるか以前から存在しており、日本だと頼母子讲(たのもしこう)や无尽(むじん)と呼ばれてきた。いわば、古くからの相互扶助の仕组みを、现在のソーシャル?ネットワーキング?サービス(SNS)の中に再现したものといえる。
そもそも、保険の机能は「リスク?プーリング」にそのルーツをもつ。例えば、AとBの2人がそれぞれ、0.2の确率で事故に遭遇し500万円の损害が生じるとしよう(両者の事故は无関係に発生すると仮定)。ここで、2人が「损害が生じたときにはそれを2人で折半する」という取り决めを行うとしよう(これを「リスク?プーリング」という)。そして、われわれがA(またはB)の立场にあるとき、多くの人はこの取り决めを実施したいと思うだろう。このような选択をする人のことを、私の専门分野では「リスク回避的」な人という。ざっくり言えば、「リスク?プーリング」によって、2人とも事故に遭遇し1人500万円を负担しなくてはならない确率は、0.04(0.2×0.2)になるので、极端な结果(损害が0円か500万円)の确率が减少し、安定的な状况が作り出される。「リスク回避的」な人はこのような状况を好むのである。
考えてみれば、どれほどテクノロジーが発达しようとも、人间の本质は昔から変わっていないのかもしれない。たとえば、给料がさほど変わらなければ、より安定感のある生活が望ましいと思う人は少なくないだろう。「リスク回避的」なのだ。アリババの新サービスは、既存の保険の胁威であるという论评も多い。しかし、保険の机能からひも解けばそれは「先祖返り」しただけのものであり、その前提にはわれわれ人间の普遍的な本质がある。それを科学的に捉えることによって、一见、新しく见える物事の本质についてじっくり考えることができる。「学问」することのおもしろさはこの点にある。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。