2022/10/12
庆应义塾大学
庆应义塾大学理工学部物理情報工学科の牧英之教授と同電気情報工学科の田邉孝純教授らは、シリカから作製したトロイド共振器を用いることで、これまでで最小の発光線幅を有する発光を得ることに成功しました。本技術は、シリコンチップ上に作製した微小の共振器を用いた素子であることや、通信波長帯である1.55?m帯の狭線幅発光であることから、チップ上に集積した光回路や光通信用素子などの集積光デバイスへの応用が期待されます。
カーボンナノチューブは、光通信やシリコンフォトニクスで必要とされる通信波长帯で発光することに加えて、近年は、室温かつ通信波长帯での単一光子源が実现可能なことから、量子暗号などの光による量子情报技术への応用も期待されています。しかし、一般に、カーボンナノチューブの発光の线幅(半値幅)は、数十苍尘程度と広いことから、発光をそのまま利用した场合、波长分散の影响による通信帯域や伝送距离の低下を招いたり、波长多重化が困难になったりといった问题があり、光通信への応用は进んでいませんでした。
今回、シリコンチップ上に形成したシリカトロイド共振器を用いて、共振器上にカーボンナノチューブをダイレクトに形成したところ、半値幅が74辫尘という超狭线幅の発光を得ることに成功しました。线幅を表す蚕値としては、2万を超える値が得られており、これまで报告されてきたシリコンディスク共振器の最高蚕値(约5千)を大きく超えて、これまでで最高の蚕値のカーボンナノチューブ発光を観测することに成功しました。本技术を用いることにより、将来的には、光集积デバイスや光通信素子、量子情报素子など、さまざまなチップ上集积光デバイスへの応用が期待されます。
本研究成果は、2022年10月12日(日本時間)に米国化学会(ACS)のACS Applied Nano Materialsオンライン版で公開されました。
プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。