2020/04/17
庆应义塾大学
大阪市立大学
庆应义塾大学自然科学研究教育センター 湯井悟志 訪問研究員(日本学術振興会特別研究員)、法学部日吉物理学教室 小林宏充 教授、大阪市立大学大学院理学研究科 坪田誠 教授、フロリダ州立大学 Wei Guo(Associate Professor)は、極低温で超流動状態になった液体ヘリウム4において、常流体の穏やかな流れ(層流)に現れる異常な速度ゆらぎが、乱流となった超流動成分の量子渦との相互作用で生じることを明らかにしました。これは、1941年にランダウが提唱した低温物理学の標準モデルである“2流体モデル”の二つの成分-超流動と常流動-の運動を分離することに成功した画期的な成果です。
2.17碍以下の极低温で超流动状态になった液体ヘリウム4(4贬别)は、粘性の无い“超流体”と粘性を有する“常流体”の混合状态として记述されます。この2流体モデルは、1941年にランダウが理论的に提案したもので、液体ヘリウムのみならず超伝导でも用いられる标準モデルです。しかし、超流体と常流体の运动を分离して示されたことはこれまでありませんでした。
通常の粘性流体では层流の速度ゆらぎは小さいですが、超流动ヘリウムの流动実験において、常流体は层流状态であるにもかかわらず流れの方向に依存する异常な速度ゆらぎが観测されていました。この论文では、超流体の回転を表す量子涡と常流体の2流体连立数値计算方法を导入して、量子乱流(超流体が乱流になった状态)の数値计算を行いました。解析の结果、层流常流体の流れ方向に依存する异常な速度ゆらぎは、量子涡が作る量子乱流に起因することがわかりました。
この研究成果は、ランダウやファインマンといった着名な物理学者が理论的に提案した2流体モデルの描像を明らかにし、2流体の运动を分离したものです。この2流体连立数値计算は、コヒーレント物质波系(超流动ヘリウム、原子気体ボース?アインシュタイン凝缩体(叠贰颁)、ダークマター叠贰颁など)や多成分流体系(液晶、プラズマ?电磁流体、混相流など)へ大きな影响を与えることが期待できます。
本研究成果は、日本時間2020年4月17日に『Physical Review Letters』オンライン版に掲載されました。
プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。