2019/08/27
庆应义塾大学医学部
国立成育医疗研究センター
日本医疗研究开発机构
庆应义塾大学医学部皮膚科学教室の久保亮治(くぼあきはる)准教授、国立成育医疗研究センター周産期病態研究部の中林一彦室長らの共同研究グループは、汗孔角化症(かんこうかっかしょう)という皮膚病になる生まれつきの素因を、日本人の400人に1人が持っていることを明らかにしました。さらに、そのような人では、紫外線などにより後天的に皮膚の細胞のゲノムが変化すると、汗孔角化症の症状が全身の皮膚に多発することが分かりました。
汗孔角化症は、直径数尘尘~数肠尘の大きさで、赤や茶色の、円形または环状の形をした、平たく少しだけ盛り上がったできもの(皮疹)が、全身の皮肤に多発する病気です。皮疹からは皮肤癌ができやすいことが知られています。子どもの身体の一部分の皮肤に集中して皮疹ができる「线状汗孔角化症」と、大人になってから腕や足を中心に全身に皮疹ができる「播种状表在性光线性汗孔角化症」などがあります。
汗孔角化症を発症する人は、惭痴顿や惭痴碍などの遗伝子に、生まれつきの変化(遗伝子変异)を1つ持っていることが分かっていました。ヒトの细胞は遗伝子を2つずつ持っているので、遗伝子の片方が変化して働かなくても、もう片方がスペアとして働き、通常は何も问题は起きません。なぜ、遗伝子の片方だけに変化を持つ人が汗孔角化症を発症するのか、その仕组みはこれまで全く分かっていませんでした。
今回の研究から、(1)日本人のおよそ400人に1人は、惭痴顿という遗伝子に生まれつきの変化があり、汗孔角化症になる素因を持つこと、(2)ゲノムに生じた后天的な変化(以下、セカンドヒット)によって、惭痴顿という遗伝子が2つとも働かなくなった细胞が、汗孔角化症の皮疹を作ること、(3)セカンドヒットが胎児期に一度だけ生じると「线状汗孔角化症」になり、大人の皮肤のあちらこちらで何度も生じると、「播种状表在性光线性汗孔角化症」になることが分かりました。
今回の研究成果は、汗孔角化症から皮肤癌になるメカニズムの解明や、汗孔角化症の予防法?治疗法の开発につながることが期待されます。
本研究成果は、2019年8月26日(グリニッジ標準時)に米国研究皮膚科学会の学術誌『Journal of Investigative Dermatology』(オンライン版)に掲載されました。
プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。