2019/05/10
庆应义塾大学医学部
庆应义塾大学医学部生理学教室の加瀬義高助教、島崎琢也准教授、岡野栄之教授らの研究グループは、このたび、老化に伴う神経新生能低下の分子機構を解明しました。
哺乳动物では、成体においても日々新たな神経细胞が产出されますが(神経新生)、その源の细胞である神経干细胞および神経前駆细胞(神経细胞へ分化する前段阶の细胞)は老化に伴い减少し、神経新生が低下することが知られていました。しかし、なぜ神経干细胞?前駆细胞が老化に伴い减少するのかは现在までよく分かっていませんでした。
本研究では、マウスを用いて、①辫38というタンパク质が神経前駆细胞のみに働きかけ细胞の自己増殖を活性化すること、②老化にともなう神経干细胞?前駆细胞における辫38の発现低下が、神経新生能低下の大きな原因であることをつきとめました。
加えて、辫38の発现が大幅に低下した高齢マウス侧脳室周囲の神経干细胞?前駆细胞に辫38を强制的に発现させると、神経前駆细胞が特异的に増加し、神経新生を若いマウスと同レベルまで増加させ、长期的に神経新生を促进して侧脳室周囲の脳萎缩を防ぐことに成功しました。
これまで脳梗塞などで损伤した脳を再生するために、神経干细胞を活性化して神経新生を促す研究が行われてきましたが、神経干细胞が分裂を繰り返した结果、神経干细胞が枯渇し、神経新生も急激に低下するという问题点がありました。辫38は神経前駆细胞の自己増殖を促进する一方で、神経干细胞には作用しないため、神経干细胞の枯渇を招くことなく长期にわたり有効な神経再生が可能であることが、今回确认されました。
本研究成果は、老化研究の侧面だけでなく脳梗塞、认知症、うつ病など神経减少などが原因となっているさまざまな疾患での神経再生へ応用が期待されます。
本研究成果は、2019 年5月10日(金)(日本時間)に米科学誌『Stem Cell Reports』(オンライン版)に掲載されました。
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