2018/02/14
庆应义塾大学医学部
庆应义塾大学医学部生理学教室の岡野栄之教授、神山淳准教授らを中心とする研究グループは、感覚器障害などの症状が現れるCHARGE症候群の原因遺伝子であるCHD7の機能を解析し、CHD7がヒト中枢神経系に存在する神経前駆細胞の正常な性質を維持する遺伝子群を制御していることを明らかにしました。
CHARGE症候群は、CHD7という遺伝子の変異により生じ、目や耳などの感覚器や心臓などに障害が現れる病気です。これまでに、研究グループは先行研究において、CHARGE症候群の症状が胎生期の神経提細胞の異常が要因となって現れることを患者由来のiPS細胞を用いた疾患モデルにより解明しました(2017年11月28日付 本学医学部からのプレスリリース報告)。
颁贬础搁骋贰症候群は胎生期に症状が発生する遗伝性の疾患であり、感覚器の障害に加えて、精神运动発达の遅滞が合併することがあります。これらの障害が生じる过程の観察は困难であるため、今まで详细な病态解明が进んでいませんでした。今回、研究グループは颁贬础搁骋贰症候群患者由来の颈笔厂细胞を利用し、胎生期の神経前駆细胞を详细に観察した结果、颁贬础搁骋贰症候群において神経前駆细胞の维持机构に障害があることを见出しました。さらに、この原因となる分子メカニズムも明らかにしました。
今回の成果は、胎生期の遗伝性疾患の原因の一端を解明するもので、颁贬础搁骋贰症候群の中枢神経症状に対する异常を回復させる治疗法开発に结びつけることが期待されます。また神経前駆细胞を用い、疾患を再现させることで、この分野の再生医疗実现の进展に大きく寄与するものと考えられます。
この研究成果は、2018年2月9日(米国東部時間)米科学誌『Genes & Development』のオンライン版に掲載されました。
プレスリリース全文は、以下をご覧下さい。