执笔者プロフィール

桥口 胜利(はしぐち かつとし)
経済学部 教授専门分野/近代日本経済史

桥口 胜利(はしぐち かつとし)
経済学部 教授専门分野/近代日本経済史
2022年4月から東海ラジオ「伝七邸100年ヒストリー」(2023年4月からは「渋沢栄一塾」)、同年7月からFM三重のラジオ番組「TOYOBO HISTORY」に出演しています。いずれも、渋沢栄一や山辺丈夫、伊藤伝七などの近代人と紡績業への関わりをテーマに、広く社会に近代産業の軌跡を紹介することが目的です。
シリーズもののラジオ番组は初めての挑戦でした。経済史の専门外の方に、「声」だけで発信する。テキストもレジュメ、写真、データも使えない。渋沢栄一をはじめとする実业家を何人も登场させながら、日本の产业革命を论じるのです。事前に原稿を用意するのですが、普段の讲义とは违って自分の间合いでは进みません。これは初めての体験でした。
ラジオの収録后、局の方々から「勉强になりました」や「面白かったです」という言叶があると嬉しいです。役に立つことができたと感じるからです。しかし、心に深く残るのは、やはり课题を伝えてくれる言叶です。「今日のお话は、どこか迷いがありましたね。まだ先生の中で答えがいくつかあるんでしょうね」。この言叶は、「ずしり」と刺さりました。まさに図星だったからです。名古屋からの帰りの新干线は、ちょっと沉んだ気持ちになりました。
近代史をリスナーにどう伝えるか? その答えは、叁重県四日市市での特别番组の収録で见つけました。伊藤伝七の顕彰碑を访れたとき、番组ナビゲーターの女性から「桥口先生、この碑文にはどんなことが书いてあるんですか?」の问い。そのときは、用意していた原稿はそっちのけで、碑文の言叶にじっと目を向けました。「叁重纺绩」「合併」「明治维新」「渋沢栄一」。そんな言叶を読み込んでいると、「地域を豊かにしたい」、そんな近代人の気持ちが伝わってきます。気がつけば、近代化への志、そして道筋を梦中で话していました。
思い返してみると、それまではこの番组を通じて、「何を発信したいのか」を十分に意识できていなかったように思います。「近代経済史の研究を通じて、社会に何を伝えたいのか」。その视点が决定的に欠けていたのです。この気づきは、私の研究に新たな力を与えてくれたように思います。
次の収録。今度も、自分の想いを乗せて「近代の息吹」を语りかけようと思います。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。