执笔者プロフィール

村松 眞由(むらまつ まゆ)
理工学部 機械工学科准教授専門分野/ 固体力学、数値解析

村松 眞由(むらまつ まゆ)
理工学部 機械工学科准教授専門分野/ 固体力学、数値解析
私がとても好きな本に远藤周作の『沉黙』があります。その最大の理由は、キリシタン弾圧という「西洋と日本の思想的断絶」から、日本という国の本质について深く考えさせてくれるからです。远藤周作はキリスト教徒でしたが、幼児洗礼だったそうです。同着からは、望んで信者となった人びととは异なり、本来のキリスト教と日本人である远藤が纳得するキリスト教との乖离に苦しんだことが窥われます。
私は研究に対しても同じことを感じています。私が今研究している力学分野は西洋で诞生しました。17世纪に活跃したニュートンやライプニッツなど、多くの伟大な学者によって力学はかたちづくられてきました。彼らは世界のルールを决める圧倒的な神の存在を疑わないからこそ、美しい学问体系を构筑することができたのではないかと思うのです。
私もまたその美しさにひかれ、研究を続けてきましたが、ニュートンが活跃した江戸时代に、彼のような大天才和算家が存在したとしても同レベルでの理论を考えられたかというと、难しいのではと感じています。现代も同様、一般的な日本人が好むスケールと世界のスケールとは离れている印象があります。无理をして同じように研究しても他人の土俵で戦うような気分です。インパクトのある论文を书いても、ノーベル赏をとったとしても、20歳で决闘に倒れ、ほぼ论文を残さなかったガロアのように、200年にわたりその名を轰かせる研究をすることとは本质的に异なるように思います。
では、日本人である私はどのように研究を続け、この先戦っていけるのか? 私が最近考えていることはこうです。
日本人は外部のものを受け入れて、自己流にする力は凄まじい。それが集合知となり、日本人らしさがかたちづくられてきた。私にもその血が流れているはずで、これを活かしていくのが私らしく、日本人らしい研究なのではないか?
そのような考えに至り、最近は海外の流れを追うのではなく、自ら面白いと思ったものを取り入れ変化させていくスタイルになってきました。そう考えるようになって力が抜けたような気がします。
通信技术の発达にともない、ほぼリアルタイムで欧米の情报が得られる时代です。面白いことは何でも取り入れ、私らしく新しいものを生み出していきたいと考えています。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。