执笔者プロフィール

野中 叶(のなか よう)
総合政策学部 准教授専门分野/地域研究[インドネシア]

野中 叶(のなか よう)
総合政策学部 准教授専门分野/地域研究[インドネシア]
新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい始めて早1年。思えば1年前の今顷は、インドネシアにいた。あの当时、现地ではまだ感染者が确认されておらず、真夏の暑さの中、惯れないマスク着用に戸惑ったことを思い出す。その后2月半ばに帰国して以降、1年近く渡航できない日々が続く。现地调査を常とする身にとって、1年间もフィールドに出なかったのは、子供を出产した年を除けば、研究を志した修士の时以来初めてだ。一方で、现地とのコミュニケーションは意外と活発である。お互いにネット环境が整い、ステイホームで家にいる时间が长いこともあり、オンラインで情报交换したり、议论したりすることにも、この1年ですっかり惯れた。
いくつもの新たな発见の中でも、インドネシアの人たちの相互扶助の実践には、改めて惊かされている。インドネシアでは、人口の9割弱が信仰するイスラームの教えに基づく喜捨や、地域共同体内の相互扶助のシステムが、现代でも一定程度机能している。コロナ祸では、宗教?社会団体、职场、学校、地域のコミュニティなど、様々なチャンネルを通じて寄付が集まり、様々な物资や资金がそれらを必要とする人たちに送られている。私自身の调査地の1つである有名国立大学のモスクでも、教员、学生、近隣の住民からの寄付を集め、贫困层への食料の配布、オンライン授业を受ける困穷学生たちへのスマホやネット通信费のサポート、病院や医疗従事者への医疗関连用品の提供などを切れ目なく行っている。スマホの简単な操作だけで気軽に寄付を行える仕组みを整えたことも、功を奏しているという。
助け合いに対する人々のフットワークの軽さに感嘆する私に対し、既知の仲であるモスク管理者は、「公的支援に期待を寄せる日本人との违いさ。政府には最初から期待できないから、我々は自分たちで支え合うんだ」と话した。行政サービスに依らずとも、住民レベルでのセーフティーネットが机能する様をインドネシアでは见ることができる。
ちなみに、インドネシアはコロナの抑え込みには失败し続けている。感染者は累计で115万人に达し、新规感染者も连日1万人を超えている。感染対策でも力を発挥できない政府に代わり、社会的助け合いのパワーで何とかならないものかと愿いつつ、また渡航できる日を待ちわびる毎日である。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。