执笔者プロフィール

荒金 直人(あらかね なおと)
理工学部 准教授専門分野/ 哲学?科学論

荒金 直人(あらかね なおと)
理工学部 准教授専門分野/ 哲学?科学論
私は1992年から2003年までフランスに留学して哲学を学びました。そして2006年から本塾理工学部の専任教员となり、同时に「科学と哲学」という科目を担当することになりました。元々はフランスの哲学者ジャック?デリダのヘーゲル解釈についての博士论文を书き、现代西洋哲学の中でも哲学史への関心が比较的高い分野で研究をしていたので、「科学」というのはそれまでの私にとっては必ずしも主要なテーマではありませんでした。
「科学と哲学」は理工学部の3?4年生向けの総合教育科目です。これから科学技术に関わる分野で活跃するであろう学生たちに、哲学的な见地から科学を论じる深みのある思想に触れてもらうことで、豊かな视野を持ってもらいたいという思いから、试行错误をしました。しかし、例えば哲学者ハイデガーが提供するようなスケールの大きな深い思想と、その思想から见えてくる科学や技术の姿についての讲义をしたとしても、科学者?技术者にとって具体的な行动の指针には繋がりにくいという问题がありました。
そんな中、2012年春からの2年间、改めてフランスで留学をする机会を得て、「科学と哲学」の授业内容を再検讨するだけでなく、より根本的に、私の今后の研究の方向性を再设定するための时间を持つことができました。私自身が哲学的に深く共感でき、研究対象としての手応えを感じることのできる思想、そして同时に、现代の科学技术に対するある程度具体的な考察を含んでおり、理工学部の学生たちの関心を引くことのできる思想、そんな思想を、ブリュノ?ラトゥールという哲学者のもとに见出すことができたと思い、彼の思想を新たな研究対象として设定することにしました。
このような経纬で、2014年度からの「科学と哲学」では、ラトゥールの哲学と科学论を中心に据えた讲义を行っており、私自身の研究の方向性も、それに合わせて再调整することになりました。このような调整は、専门性の変更を含むものなので、时间的にも労力の上でもそれなりの犠牲を伴うものですが、必要なことだったと思っています。どんな研究者も自分の研究の方向性の変化という事态に直面することがあるのではないかと思いますが、私の场合はそれが、1つの科目へのこだわりに関係していました。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。