执笔者プロフィール

黒川 义教(くろかわ よしのり)
その他 : 筑波大学人文社会系准教授塾员 専门分野/国际贸易论、マクロ経済学

黒川 义教(くろかわ よしのり)
その他 : 筑波大学人文社会系准教授塾员 専门分野/国际贸易论、マクロ経済学
最近、米中贸易戦争のニュースを见ない日はない。両国が胜つか负けるかの竞争をしていると騒ぎ立てる。トランプ大统领は、対中贸易赤字のせいで米国の多くの労働者が职を失っていると述べる。多くの人はこうした议论を违和感なく「当たり前」のように受け入れているのではないか。私も、これからお话する2つの経験を学生时代にしていなかったら、自然に受け入れていただろう。
1つ目は、私が経済学部2年次の終わりに、恩師である大山道広先生のゼミに入るための試験を受けた際の経験である。試験は英語と経済学の2科目だったが、英語はポール?クルーグマンの著書(Pop Internationalism, The MIT Press, 1996)の一節を読んで要約するものだった。政治家などは、国と国が企業と企業のように国際市場で勝つか負けるかの競争をしているかのような議論をよくするが、それは間違いである。企業は潰れることはあるが、国は潰れない。貿易とは、勝つか負けるかのゲームではなく、双方の国に利益をもたらすものである。これは基本的な貿易理論で簡単に示せると。
2つ目は、米国ミネソタ大学経済学部博士课程の2年目、后に指导教授となるティモシー?キーホー先生の授业で贸易と赁金格差というテーマでグループ発表をした际のこと。多くの先进国と途上国で见られる熟练?非熟练労働者の赁金格差の拡大は贸易では説明できない。标準的な贸易理论によると、贸易后、赁金格差は先进国では拡大するが、途上国では缩小するからである。この现実と理论の乖离を1つの理由として、経済学者の多くは赁金格差拡大の主要因を贸易ではなくハイテクコンピュータの导入による技术进歩に求める。自国の労働者は外国の労働者と竞っているのではないと。
以上の2つの経験から、国が公司のように国际市场で竞争しているとか、贸易のせいで多くの自国労働者が失职するといった「当たり前」のようにされる议论が、基本的な経済学からすると、実は当たり前ではないことを知ったのである。
さて、私はこれからも経済学の研究を続けて行く上で、「当たり前」だと思っていたことが当たり前ではなかったと気付かされる経験を再びすることを1つの楽しみにしたいし、私の授业やゼミを履修する学生にも、そうした経験をするきっかけを提供できればと思う。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。