执笔者プロフィール

村上 裕太郎(むらかみ ゆうたろう)
経営管理研究科 准教授専門分野/ 税務会計

村上 裕太郎(むらかみ ゆうたろう)
経営管理研究科 准教授専門分野/ 税務会計
暗黙の税(implicit tax)というものをご存知でしょうか?2019年10月1日から消費税が10%に上がる予定ですが、増税時には必ず駆込み需要といった現象が起こります。商品の購入がわずか1日ずれるだけで、消費者は追加の税負担を強いられるわけですから、この行動自体は合理的だと思えます。とくに、住宅や自動車など購入金額が大きいほど増税の影響も大きいため、駆込み需要も大きくなるでしょう。
ここで、増税后の駆込み需要の反动を考えてみてください。お客さんが减った贩売业者は何を考えるでしょうか。おそらく、価格を下げてでも商品を売ろうとするはずです。つまり、増税前にモノを买うことが必ずしも安く购入できるとは限らないのです。この増税前后の税前価格の変化は、まさに消费税の増税によってもたらされるので、これを「暗黙の税」と呼びます。つまり、暗黙の税とは、「税とは直接的に関係のない税前価格が、税の存在により歪められてしまうこと」によって生じます。この例で重要なことは、消费者は増税という「目に见える」価格の変化には大きく反応するのに、税前価格の変化にはあまり関心がないということです。
海外で面白い研究があります。米国では州レベルで小売税が导入されていますが、スーパーでの価格表示が税込か税抜かで消费行动が异なるかを米国の研究者が调べたところ、税込価格を表示した商品の売上高は、税抜表示の商品と比べ平均して约8%低かったのです。この8%というのは、ちょうど小売税の税率と同程度です。つまり、消费者はレジで税を上乗せされると知っていながら、値札(表示価格)に注目するという非合理な行动をとったと考えられます。
现在、日本では课税事业者の取引価格に関して、原则税込価格表示となっているものの、特例として税抜価格表示も认められています。実际、小売事业者の多くが税抜表示を採用しています。皆さんも、消费税が8%になって以降、レジの会计で「そんなに高い买い物をしたかな?」と気づいた経験がありませんか? おそらく、事业者侧も税込?税抜の価格表示が売上げを左右することについて経験的に理解しているので、积极的に税抜価格表示をとっているのでしょう。
10月の増税以降、买い物の际は値札の価格が税込か税抜かを注意深く観察することをお勧めします。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。