执笔者プロフィール

金 伦基(キム ユンギ)
薬学部 創薬研究センター教授専门分野/肠内细菌学、感染免疫学

金 伦基(キム ユンギ)
薬学部 創薬研究センター教授専门分野/肠内细菌学、感染免疫学
孙子の言叶で「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」というのがあります。これは、敌?味方のことをしっかりと熟知していれば戦に负けることはない、という意味です。この言叶は人间関係にも応用することができると思っています。相手の気持ちを推察?尊重するとともに、自分のことを客観的に见つめ、省みることにより、良好な信頼関係を构筑することができます。さらに、これは私の现在の研究対象である肠内细菌にも同じことが言えるのではと考えています。すなわち、我々の生理机能だけでなく、内なる共生生物である肠内细菌のことを深く理解することが健康维持?疾患予防に重要であることを、実际の研究を通して强く実感しています。
この10~15年ほどの间の解析技术(次世代シークエンサーやオミックス解析など)の进展により、肠内细菌丛の组成や代谢物の全容が次第に明らかになってきました。その结果、肠内细菌が私たちの生理机能や多様な疾患に深く影响していることが示唆されています。これは、ヒトの百倍以上の遗伝子を持つ肠内细菌丛が、私たちが作り出すことのできない物质を产生し、これらが宿主の代谢系?免疫系?神経系などに作用していることによると考えられています。私も、肠管病原细菌の定着阻害にクロストリジウム目菌群が中心的な役割を果たしていること、アレルギー性気道炎症の悪化に肠内真菌の产生するプロスタグランジンE2が関与すること、粘膜アジュバントの効果発挥には常在细菌由来の菌体成分による免疫刺激が必要であることなどを明らかにしてきました。现在もさまざまな疾患に対して抑制的に働く肠内细菌や代谢物の探索、それらの作用メカニズムの解明を目指して研究に励んでいます。
人类の歴史とともに始まったヒトと肠内细菌との共生関係は合目的性を持って进化を遂げてきたと予想されます。そのため、この肠内微生物たちは私たちの想像を超えるほどの恩恵をもたらしてくれていることでしょう。ところが、肠内细菌の组成や代谢は、私たちの生活习惯(食事など)に大きく依存し、场合によっては肠内细菌が健康を害する诸刃の剣となり得ます。今日から皆様も自分の体(臓器)だけでなく肠内细菌にも留意してみてはいかがでしょうか。そうすればきっと「病気殆うからず」となることでしょう。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。