执笔者プロフィール

前田 廉孝(まえだ きよたか)
文学部 准教授専门分野/日本近现代史

前田 廉孝(まえだ きよたか)
文学部 准教授専门分野/日本近现代史
4月に懐かしい叁田の山へ戻ってきた。それまで5年间は、福冈市で教鞭を执っていた。食塩の生产?流通?消费と塩専売制度に関心を寄せる笔者は、史料调査のために食塩の主产地たる瀬戸内地域へは院生时代から频繁に赴いていたが、福冈市で勤务を始めた当初に食指が动く史料は周辺で见当たらなかった。しかし、どうにか地元に所蔵される一次史料で论文を书きたかった。なぜなら、それが地方大学に勤务する歴史研究者にとってのアドバンテージだからである。
近现代が専门の歴史研究者はデータベース、オンラインアーカイブズを駆使するが、使用料が高额なゆえに导入できる大学は限られる。ところが、优れた研究环境に身を置いたとしても、必ずしも优れた论文を书けるわけではない。それは、歴史研究の基本が一次史料の丹念な発掘にあるからだ。地方の大学では、东京の大学までは伝わらない地元の史料に関する情报が、人づてに伝わってくることも少なくない。この情报を歴史研究者として利用しない手はない。そこで笔者も、同僚から得た情报に基づいて、福冈市中心部の天神から电车とバスを1时间以上乗り継いだ郊外で史料调査を始めた。
福冈県は、明治后期において瀬戸内海沿岸の诸県に次ぐ製塩量を夸り、明治40年代初头まで福冈市で家庭用に消费された食塩は主に県内产であった。そうした地元で流通する食塩を明治30?40年代に生产した小さな製塩会社に関する史料が笔者の调査対象であった。同社の特笔すべき特徴は、明治38年に导入された塩専売制度の下で食塩の密造?密売に手を染めたことである。その原因は、同制度下で政府が食塩の买上価格を过剰に低く设定したことにあった。塩専売制度下の密造?密売は、アジアでも中国、インドなどで発生したが、主产地(瀬戸内地域)での発生频度が低かった日本の事例はあまり注目されてこなかった。しかし、この史料は製塩会社が密造?密売に手を染めるまでの生々しい経纬を豊かに示し、笔者の研究を大いに进展させてくれた。
史料は足で稼ぐ。歴史研究に欠かせない作业の重要性を再确认できたことは、福冈市で生活した5年间に得た贵重な経験であった。东京タワーを望む大都会のキャンパスに身を転じたいま、改めて肝に铭じたい。
※所属?职名等は当时のものです。