午夜剧场

慶應義塾

『絶望と热狂のピアサポート──精神障害当事者たちの民族誌』

公开日:2026.02.17

执笔者プロフィール

  • 横山 纱亜耶(よこやま さあや)

    その他 : 東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程

    塾员

    横山 纱亜耶(よこやま さあや)

    その他 : 東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程

    塾员

人类学は、「あたりまえ」とされてきた価値観を覆す学问だとしばしば绍介される。しかし、その覆しは、せいぜい「心地よい里切り」にとどまっていることが多いのではないか。本书で扱っている精神保健、障害者福祉、当事者活动といったテーマに関する民族誌はとくに、「心地よい」内容になりやすい。

これに対し、私がフィールドワーク中に覚えたさまざまな「心地悪い」感覚の意味について考えたいと思って书いたのが、本书である。もちろん私は、「心地悪い」民族誌のほうが优れていて、「心地よい」民族誌は劣っていると言いたいのではない。

ましてや、见ろよ现実はこんなにも「心地悪い」んだぞ、という希望のない话を振りかざしたいのでもない。

ただ、健常者である私が精神障害者について书く以上、健常者にとって都合のいい话ばかりを书くことは避けたいのだ。「心地よい里切り」とは、多くの场合、健常者をはじめとする多数派の人々の立场が胁かされずに済むと同时に、自らの立场を省みた気になれるような、都合のいい里切りに过ぎない。私の知るかぎり、フィールドワークを通じた学びは、そんなに甘いものではない。

「心地悪い」という感覚は、本书の调査地である精神障害当事者団体「横浜ピアスタッフ协会(通称、驰笔厂)」の活动において、もともと重要な位置を占めていた。〈お祭り〉と呼ばれる驰笔厂のユニークな活动プロセスは、歌や踊りといった即兴のパフォーマンスを通じて、観客として来たつもりの人々を、いつの间にか活动に巻き込むというものである。「狂気」的とも评されるぶっつけ本番のパフォーマンスに対し、「心地悪い」感覚を覚えた観客たちが、気まずさから拍手したり、笑ったりすることを繰り返すうちに、驰笔厂の「身内」になっていくのだ。

驰笔厂の活动にならって、本书はそれを読むプロセス自体が〈お祭り〉になるように书いた。「心地悪い」感覚を端々に覚えながら読み进めるうちに、あなたは自分こそが本书で扱われている问题の一部であることに気づかされるはずだ。それは、私がフィールドワークを进めるうちに学んだことでもある。社会には、都合のいい観客などいないのだ。

横山 纱亜耶

世界思想社

304页、2,970円〈税込〉

※所属?职名等は当时のものです。