午夜剧场

慶應義塾

『ピアノと暮らす──日本におけるクラシック音楽文化の受容と展开』

公开日:2025.05.16

执笔者プロフィール

  • 本间 千寻(ほんま ちひろ)

    その他 : 音楽文化史研究者

    塾员

    本间 千寻(ほんま ちひろ)

    その他 : 音楽文化史研究者

    塾员

ピアノ文化研究の端绪は、16年间ピアノ一筋だった息子が音大受験の直前にピアノを止め、数カ月后に庆应义塾大学理工学部に入学したことです。息子の急な进路変更と庆应への入学により、私は幼少期から常に侧にあったピアノの社会学的な意味を探究したいと思い、庆应义塾大学大学院社会学研究科に入学しました。そして修士课程1年时の、现名誉教授矢野久先生との出会いが、博士课程进学から本书の刊行に至るモチベーションとなりました。

元来日本はピアノ文化を持たない国でしたが、楽器としてのピアノが移入された明治期から现在までの140年に及ぶピアノ文化の进化を见ると、日本は単に西欧のピアノ文化を受け継いで来ただけではなく、独自のピアノ文化を创造したと考えられます。そのためピアノが进化した140年间を、ピアノ文化の萌芽期、普及期、成熟期に分け、その上でピエール?ブルデューの「文化资本」概念、厚东洋辅の「ハイブリッドモダン」概念を用いて、歴史社会学的视座に立ち分析しました。

现在日本のピアノ文化は、女子のお稽古ごとといったイメージは薄れ、音大生に劣らないほどの演奏技术を持った「高级なアマチュア」の存在など、ピアノが诞生した西欧以上の进展を遂げました。そこにはきっと西欧にはない、日本特有のピアノ文化の受容の仕方があったはずです。本书はその背景を探る手段として、当事者の生の声であるインタビューを重要な资料と位置づけました。インタビューには戦前の人たちのピアノに対する憧れ、戦后ではピアノに関わった亲や子ども、ピアノ讲师の方々の本音が语られています。また我が子にピアノを习わせてもピアノをあまり重要视しない亲たちの声も取り上げ、日本のピアノ文化の偽りない姿を捉えました。ピアノ学习者の演奏技术の进化は、コンクールの课题曲にもなるショパンのエチュードを用いて分析しました。

本书を読んでいただくと、ピアノほど日本人に影响を及ぼした楽器はないことや、ピアノを通して様々なことが见えてくると思います。ピアノ文化を経験した方には、自身を振り返る机会にもなると思います。お読みいただけると嬉しいです。

本间 千寻

晃洋书房

324页、4,180円〈税込〉

※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。