执笔者プロフィール

持田 叙子(もちだ のぶこ)
その他 : 近代文学研究者塾员

持田 叙子(もちだ のぶこ)
その他 : 近代文学研究者塾员
すぐれた芸术家はしばしば女性分子と男性分子をあわせ持つ。レオナルド?ダ?ヴィンチしかり、オスカー?ワイルドしかり、森鸥外、与谢野鉄干、そして我が永井荷风もそうである。
荷风はとくに少女の感性を深く持つ。彼の文学は少女性を浓く湛える。荷风は游荡作家として文学史に位置づけられる。しかし私などが読むと、彼の描く〈娼妇〉にはあまり色気がない。『腕くらべ』の驹代も、『つゆのあとさき』の君江も、みな损得抜きで真実の恋に梦中になるわがままな永远の少女、といった风情の女性である。
実はデビューをねらう20代の荷风が书いた小説群には少女ばかりが描かれる。その代表が、鸥外も推す荷风のデビュー単行本『地狱の花』(1902年)。この前年に与谢野晶子が歌集『みだれ髪』を刊行し、〈少女〉のいちずな恋心を古い社会に诉えた。多くの若者が恋する少女戦士に共感した。──荷风文学の船出を考えるに宿命的な构図である。
従来の文学史では看过されるが、荷风は与谢野晶子の1つ年下、同期の桜である。晶子の少女革命につよい刺激を受ける。まっすぐな少女の恋心を人间の真実ととらえ、家や亲の决めた结婚にあらがう少女の叫びを通し、社会の刷新を呼びかけた。初期から晩年まで少女を书いた。本书は荷风を游荡派としてではなく、晶子や鸥外にならぶ〈少女党〉として捉え直す。
2部构成をなす。第1部では荷风が平和を爱する乙女を盾とし、世界戦争へ突入する社会を批判する様相を追う。第2部は荷风と亲しい森鸥外、上田敏、両者の热い支援をうけた与谢野晶子を、おなじく乙女の愿いを通して非戦と平和を叫ぶ〈少女党〉として追う。
この1册には明治?大正の豊润な空気も吹き込んだ。鸥外がみずから植えて育てたドイツ风の花园。彼が翻訳した西欧小説の多彩な甘いキス。上田敏が一人娘に书いた何十通もの爱の手纸。真珠の首饰りをかけてパリのオペラ座へゆく晶子……。
荷风は星を爱した。太平洋戦争中も远い天空の星に平和を祈った。そんな彼を辉くおとめ星座にたとえた。では彼の本当の诞生星座は? 答えは本书の中にあります。
持田 叙子
庆应义塾大学出版会
258页、2,970円(税込)
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。