执笔者プロフィール

大久保 健晴(おおくぼ たけはる)
法学部 教授
大久保 健晴(おおくぼ たけはる)
法学部 教授
庆应义塾は兰学塾を起源とする。
このことは、多くの人がよく知る歴史的な事実である。実际1868年、「庆应义塾」と命名された际には、庆应义塾が『解体新书』を端绪とする兰学の学问的伝统の上に成立することが、高らかに宣言された。
福泽諭吉が徳川期に大坂で兰医?绪方洪庵の主宰する适塾で兰学修业を积んだことも、よく知られる。
しかし福泽と兰学との関係は、これまで十分に解明されていない。
本书は、〈はじまりの福泽諭吉〉に遡り、兰学を切り口として、世界史の文脉を视野に入れながら、福泽諭吉の生涯と19世纪日本の政治思想を読み解くことを主题とする。
「兰学」と闻くと、医学や天文学が思い起こされるかもしれない。だが江戸时代の西洋学である兰学の射程は、それだけにとどまらない。
徳川末期、福泽は兰学者として、先駆的にヨーロッパの统计表を受容した。また西洋兵学と取り组む中で、ナポレオン戦争の背后に潜む、近代国民国家の论理を鋭く看取した。「一身独立して一国独立す」と説く福泽の政治构想の里面には、徳川期の兰学を源流とする西洋兵学への深い洞察が、べったりと、はりついている。さらに适塾では、同时代ヨーロッパで进展する「电気革命」を支える诸学説にも触れていた。
そして何より、福泽自身、近代日本の文明化の起源は、江戸期の兰学にあると繰り返し语った。
兰学者?福泽諭吉は、今日まで続くグローバル化の出発点に立ち、适塾时代から、来るべき世界を支えるテクノロジーの原理を探究した。その経験と学识が基底に存在したからこそ、明治期に入り日本の文明化と独立に向けた政治构想を提示するとともに、交通やメディアの発展が人々の精神にもたらす弊害についても鋭い诊断を加えることができた。
现代社会では、厂狈厂の発展により、フェイクニュースに踊らされ、分断と対立が深刻化している。そんなポスト真実と呼ばれる时代を见通したかのように、福泽は「穷理」の学を重んじ、「信の世界に偽诈(ぎさ)多く、疑の世界に真理多し」と喝破した。
本书を道案内に、福泽諭吉の思想の森を奥深くまで散策する醍醐味を味わっていただければ幸いである。
大久保 健晴
讲谈社现代新书
128页、880円(税込)
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。