执笔者プロフィール

和田 菜穂子(わだ なほこ)
その他 : 東京家政大学造形表現学科准教授塾员

和田 菜穂子(わだ なほこ)
その他 : 東京家政大学造形表現学科准教授塾员
「记忆の风景」。私は街の歴史や文化を象徴するのが建筑の役割の一つであると考える。例えば御茶ノ水駅近くの《东京復活大圣堂》。「ニコライ堂」の爱称をもつ异国风な佇まいは今もなお见る人の心を惹きつけ、戦前に活跃した松本竣介ら数多くの画家が絵に収めている。解体されてしまった小さな木造駅舎の《原宿駅》もその周辺に群がる若者と一体化して私の记忆に定着している。庆应义塾のシンボルといえば多くの人は赤炼瓦の《図书馆旧馆》を思い浮かべるのではないだろうか。
このように记忆に定着した风景の多くには建物の外観が存在するが、建筑ツアーの肝は内部见学である。空间体験を通じ、建筑家のこだわりや所有者の思い入れ、増改筑の変迁等を见て学ぶことができるからだ。しかし世界が一変した2020年4月以降、内部见学を伴う建筑ツアーは中止せざるを得なくなり、私は家の中で闷々としていた。苦肉の策として思いついたのが、歩いて巡る山手线建筑ツアーだった。《高轮ゲートウェイ駅》からスタートし、山手线30駅を1駅ずつ歩くことにした。回を重ねるにつれ、知らない街をリサーチし、起伏のある地形に兴味を持つようになった。点と点(建筑と建筑)をつなぎ合わせることで、东京の街を面で捉えるようになり、大名屋敷の跡地利用など时代の移り変わりや歴史的背景への理解も深まった。また健脚自慢のリピーターたちはいつしか一万歩超えを目指すようにもなった。
ところが山手线ツアー2周目に突入すると、すぐに违和感を覚えた。建筑の丧失である。个人邸宅を现代美术馆に変えた《原美术馆》、箱形のユニットがランダムに积み重なった《中银カプセルタワービル》などが见惯れた风景から姿を消した。私はこれら名建筑の解体のニュースを耳にするたびに呆然となった。建筑の寿命とは何だろうか? そして自分にできることは何かと考えた末に立ち返ることになったのが建筑ツアーだった。今、そこにある风景を目に焼き付け、建物の声に耳を倾ける。空间体験を皆で共有する。ツアーの记録を写真やテキストでアーカイブ化する。建筑ツアーは私が见つけたライフワークである。
和田 菜穂子
エクスナレッジ
224页、1,980円〈税込〉
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。