执笔者プロフィール

金子 信久(かねこ のぶひさ)
その他 : 府中市美術館学芸員塾员

金子 信久(かねこ のぶひさ)
その他 : 府中市美術館学芸員塾员
もしこの本が売れたら、一番の功労者は円山応挙だとしても、二番目はカバーを考えたデザイナーの岛内泰弘さんに违いない。はじめは、出版社や编集者と话し合って、応挙が描いた叁匹の子犬が游んでいる场面にしようということになり、岛内さんもそれに従って作ってくださった。ところが同时に出てきた本自体の表纸は、一匹の头部の「どアップ」。岛内さんの目の付け所に惊いた。表纸はカバーを外さないと见えないし、単色の印刷である。読者が一生见ない可能性だってある。それではあまりにもったいないし、これをカラーのカバーにしようと意见が一致し、ご覧のデザインとなった。各地の书店でも「面出し」で陈列され、爱娇を振りまいているようだ。
この本は、中国?朝鲜から伝わった子犬の絵が日本でどう展开したかを眺める、絵画史の本である。编集者と5年がかりで构成を考え、116点を选んだ。中国?朝鲜风が色浓い狩野派や伊藤若冲の子犬に対して、そのスタイルをベースにしつつ「本物みたいに描く」という革新を起こしたのが、江戸中期のリアリティーの画家、応挙である。周辺や后世への影响も凄まじい。応挙の絵をできるだけ集め、「応挙犬一九选」と题し、その重要性を更にプッシュしたのは、编集者のアイディアだ。
奇想で知られる同时代の画家、曾我萧白が、応挙の絵は「画」ではなく「図」だと蔑んだと记す江戸时代の本があるが、美术史研究が进んだ今でも、どろどろしたところのない応挙の絵を、冷たい、薄っぺらいなどと感じる人はいる。冷静に物の形を捉え、笔触に感情を込めることを避けた応挙は、要するに対象が何であれ、突き放し、そこに澄んだ美しさを表现した。しかし、子犬は别である。描き方は复雑で、薄い墨や絵の具で丹念に、生きた笔触を重ねている。何より雄弁なのが、目だ。薄茶色で形を表し、その上から墨を渗ませながら、瞼と黒目を点じる。そうして生まれる子犬は、まるで人のような表情を浮かべ、时に気弱で、时にやんちゃで、「心」に溢れている。応挙にはこんなにも人间み豊かなレパートリーがあったのだと、この本のカバーをじっと见ては嬉しく感じ入っている。
金子 信久
讲谈社
192页、2,860円(税込)
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。