执笔者プロフィール

佐藤 文香(さとう ふみか)
その他 : 一橋大学大学院社会学研究科教授塾员

佐藤 文香(さとう ふみか)
その他 : 一橋大学大学院社会学研究科教授塾员
「口紅とライフル、女性兵士の意外性」というちょっと扇情的なタイトルの記事(朝日新聞デジタル 2022年8月13日)――ウクライナ侵攻をきっかけに、女性兵士の存在にこのところにわかにスポットライトが当たるようになった。若い男性の間では、少し前からSNSで「フェミニストはジェンダー平等を主張するのに、兵役の男女平等を訴えないのはおかしい」といった主張も散見されている。フェミニストを「男性のようになりたい女性」に解消するのは端的に言って誤解だが、女性の軍隊参入をめぐっては、これを支持するフェミニストと警戒するフェミニストの間で激しい論争が繰り広げられてきた。視点の取り方によって「加害者」にも「被害者」にも見える女性兵士の存在は、フェミニズムにとって常に「難問」だった。
本书では、フェミニズムと女性兵士とのこの一筋縄ではいかない多様な関係を示しつつ、「女性兵士は是か非か」といった议论に拘泥するのではない形で问题を论じることを心がけた。一方で、彼女たちの経験から现象を见つめることは、戦争や军队の男性中心性を明らかにするうえで欠かせない。他方で、女性兵士の数や华々しい活跃に目を夺われることで、わたしたちの目が何から逸らされるのかに注意を払うことが必要だ。ウクライナの场合にも、「女性ですら国に残って戦おうとしているのだから」と、成人男性の総动员令を正当化し、国际的な共感をウクライナへと集める効果をもっていただろう。
ジェンダーは军事化を推し进め、戦争を首尾よく遂行する际の要である。国家は国のために命をかける男性を「男らしい」とする価値観に依拠するが、その际、女性たちの「女らしさ」にも诉える。男女を特定の役割に配置し、戦争を遂行するにあたっては、ジェンダーの価値観の醸成と操作が不可欠なのである。
前着『军事组织とジェンダー――自卫队の女性たち』(庆应义塾大学出版会)からたっぷり17年。长年の宿题をやっと提出したような思いである。本书が、戦争?军队の批判的考察にジェンダーという视角が不可欠であると説得的に示すことに成功しているかどうかは、読者の判断を待ちたいと思う。
佐藤文香
庆应义塾大学出版会
330页、2,640円〈税込〉
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。