执笔者プロフィール

大串 尚代(おおぐし ひさよ)
文学部 教授
大串 尚代(おおぐし ひさよ)
文学部 教授
本书は、アメリカ文学研究者の视点から、明治以降のアメリカ文学の翻訳、第二次世界大戦后の民主化政策を手がかりに、「アメリカ」がいかに日本の少女文化において表象されてきたかをたどる试みである。
本书の构想のきっかけは、1997年に始まった「キャンディ?キャンディ裁判」だった。これは、70年代に一大ブームとなった少女マンガ『キャンディ?キャンディ』の原作者である名木田恵子氏と、マンガ家いがらしゆみこ氏が、作品の権利をめぐって争った裁判である。同作品とともに少女时代を送った笔者は、少なからぬ兴味をもって裁判の行方を见守っていた。名木田?いがらし両氏それぞれのウェブサイトで、本作成立に至るまでの见解を読んでいた私は、あることに気づいた。
『キャンディ?キャンディ』は、20世纪初头のアメリカが舞台になっており、孤児のキャンディが持ち前の明るさで苦难を乗り越え、看护师として成长する物语である。この作品を作るにあたり、名木田?いがらし両氏は、『赤毛のアン』を始めとした外国の児童文学作品を、モデルとしていたことがわかった。たしかに同作品には、改めて考えると『赤毛のアン』を始め『秘密の花园』『あしながおじさん』を想起させるモチーフがちりばめられていた。
そのとき私はふと考えたのである。私がアメリカという国を知り、上记のような文学作品を読み始めるきっかけは、少女マンガにあったのではないかと。つまり、现在私のアメリカ文学研究の原点は、外国を舞台にした少女マンガにあったのではないか、ということだ。
明治以降、『アンクル?トムの小屋』『若草物语』『小公子』といった作品が次々に日本に绍介されていく。こうした「外国」表象は『少女の友』などの少女雑誌を通じて少女たちに受容され、それは戦后の少女マンガ雑誌へ引き継がれる。
少女マンガというジャンルは、「アメリカ」をどのように表现してきたのか。文化的に下位に位置づけられることの多い少女マンガこそが、多くの読者たちにとって「ここではないどこか」への入口だった。それは本邦における文化受容と翻訳の歴史に支えられていた。
大串 尚代
松柏社
268页、2,750円〈税込〉
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。