执笔者プロフィール

岩间 一弘(いわま かずひろ)
文学部 教授
岩间 一弘(いわま かずひろ)
文学部 教授
中国/中国系の料理が世界各国に広がっているなかで、日本の中国料理はどこまでユニークなのか? 近现代の世界史にとって重要な出来事である国民国家の成立は、アジアの料理や食文化をどう変えたのか? そんな素朴な疑问から、各国へと「食旅」に出かけ、しつこく歴史を调べて回ったのが、本书である。
第1部では、そもそも「中国料理」が1つの料理体系としての体裁を整えたのは、わりと近年であることを见た。中华民国期の食都?上海などでは、各地方料理の流行変化が激しかった。1949年に中华人民共和国の首都となった北京で、それらの精髄が集められて、国家宴会用の料理が作り上げられ、外交の场で利用された。ローストダックが「北京ダック」として世界的に有名になるのは、この顷からである。便利な中国「4大料理」の説明様式も、1960年代ごろにようやく登场した。
続く第2部では、アジア各国の国民食になっている中国系料理に注目して、その形成过程を比较?検証した。シンガポールのチキンライス、ベトナムのフォー、タイのパッタイ、フィリピンのパンシット、韩国のチャジャン麺などは、いずれも日本のラーメンの「亲戚筋」にあたり、各国で爱されている。これらが国民食となるまでには、さまざまな政治力学が働いていたことを浮き彫りにしようとした。
第3部では、アメリカやイギリスなどにおける中国料理の普及を论じた。米欧でもユニークな中国食文化の発展が见られるのと同时に、华人とその文化に対する人种主义的な见方に関わる问题が露わになった。他方で、中国料理の普及には、日系人をはじめとするアジア系の人々も、不可欠な役割を果たしていることがわかった。
そして第4部では、以上のような世界史的な视点をふまえて、改めて日本の中国料理を见直した。回転テーブルの日本発祥説に见られるような、无意识の文化ナショナリズムは自制したい。だが、日本の中国料理は、その歴史の豊かさ、浸透の深さ、文化的な多様さで际立つところがあり、日本料理と同じように爱し、守り、盛り上げていきたいという思いを深めた。
岩间 一弘
庆应义塾大学出版会
652页、2,750円〈税込〉
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。