执笔者プロフィール

阿川 尚之(あがわ なおゆき)
その他 : 名誉教授
阿川 尚之(あがわ なおゆき)
その他 : 名誉教授
本の执笔にあたり、予め绵密な计画を立てたことがない。常に何か偶然のきっかけがあって手探りのまま书きはじめる。今回もそうだった。
あとがきに记した通り、ある会合へ出席した际、テーブルに时计を置き忘れた。その日隣に座り初めて言叶を交わした人が、気づいて邮便で送ってくれた。本书の企画?编集にあたったミネルヴァ书房の堀川健太郎さんである。时计を置き忘れなければ、この本は世に出なかった。
京都で再会した堀川さんは、私にアメリカについて讲演をしないか──そう切り出した。速记録をまとめれば本になる。
遅笔の私にとって悪くない提案だった。うまくいけば1年以内に本ができる。そう思って引き受けたのは楽観的に过ぎた。実际の完成には、それから6年近くかかった。
なぜこんなに时间がかかったのか。速记録に残る私の话し言叶は、文章としてとても読めるものでなかった。3回ほど全体を通して大幅に书き直した。トランプ大统领の4年间があまりに波乱万丈で、すくんでしまった……。他にも理由があるが、これ以上言い訳はすまい。
ただし本书で取り组んだ全体のテーマは、讲演の日から本の校了まで変わらなかった。各々の利益、思想、信条、価値観が极めて多様なアメリカでは、矛盾と対立が常态である。むしろ対立する同士がぶつかり合うことによって互いに牵制し抑制し合い、一种の均衡が生まれる。激しい矛盾が安定を生むという、それ自体矛盾に満ちた现象こそが、この国の强みなのかもしれない。そう论じた。
本书が完成に近づいたとき、私たちはいくつか题名案を出し合ったが、どれもピンとこない。最后に山崎正和氏の名着『このアメリカ』をもじった『どのアメリカ?』に决めた。
最近、アメリカの一面だけ见て国全体につき断言する论者をしばしば见かける。确かにトランプのアメリカもハリウッドのアメリカも、それぞれ间违いなくアメリカだが、全てではない。どのアメリカについて语っているのかを明らかにしなければ、知的に正直でない。そのことを踏まえた上でこの国を大いに论じ、もっと知ろう。题名を通じて伝えたい、私のもう1つのメッセージである。
阿川 尚之
ミネルヴァ书房
272页、2,860円〈税込〉
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。