执笔者プロフィール

重金 敦之(しげかね あつゆき)
その他 : 文芸ジャーナリストその他 : 元「朝日新聞」その他 : 元常磐大学教授塾员

重金 敦之(しげかね あつゆき)
その他 : 文芸ジャーナリストその他 : 元「朝日新聞」その他 : 元常磐大学教授塾员
昭和20年代の娯楽といえば、ラジオから流れる落语くらいだった。1台のラジオを一家で囲み、志ん生や文楽の落语を闻いた。ときどき停电になったのも今では懐かしい。
落语に登场する人物は善人ばかりではない。盗人も出てくるが、凶悪な强盗はいない。空き家に间违って入ったり、恐喝するつもりが初手と见破られ、逆に身ぐるみ差し出して许しを请うようなまぬけが多い。
落语は1つの仮想都市を形成しているといえる。だから「落语国の住人たち」と呼ぶ人もいる。都市は见栄えのいい奇丽なところばかりでは成り立たない。盛り场に芝居や见世物の小屋ができれば、それを仕切る亲分がいる。寺社の縁日も同様だ。色街があれば、闇の博打场もある。
噺の多くの时代背景は江戸后期だから、まだ教育の水準は高くない。无笔の者もいる。そのボタンの掛け违いが笑いを生む。しかし头の回転が少し缓く、身体に障害があったとしても、决していじめたり、蔑むようなことはしない。
落语は伝承による话芸なので原典となる定本があるわけではない。消灭した职业や年中行事、习俗が残る。庶民が使う言叶だから、あまり上品とはいえない骂倒语や死语同然の表现も耳に入る。知ると楽しい仲间内の符丁や隠语も生き続ける。
大众芸能から生まれたあまり辞书には载っていないような「里世界の日本语」に兴味をいだき、収集?考察してみた。例えば「へっつい」や「藪入り」といわれても、今の若い人にはわからない。「立て过ごす」とか「立て引きが强い」といった言叶や「ガマの油」の口上も、そのまま闻き流してしまうのが普通だ。肝心なサゲがわかり难い噺は前もってマクラで説明するが、详细にタネを明かしてしまえば、お客の兴が覚める。落语家が苦労するところだ。
ワインは饮んで楽しむものであって、蕴蓄をひけらかすものではない。落语も然りだ。しかしコレステロールではないが、蕴蓄にも善玉と悪玉がある。本书に记した蕴蓄(私自身そうは思っていないのだが)はもちろん善玉だ。コロナ祸の影响で、落语のような「どうでもいいもの」を楽しむ余裕が失われていくのは、きわめて残念でならない。
重金 敦之
左右社
256页、1,800円〈税抜〉
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。