执笔者プロフィール

金子 信久(かねこ のぶひさ)
その他 : 府中市美術館学芸員塾员

金子 信久(かねこ のぶひさ)
その他 : 府中市美術館学芸員塾员
美术馆学芸员の一番の大仕事は、やはり展覧会の仕事である。企画を立て、作品を求めてあちこち访ね歩く。出会った作品から新たな悩みも生まれるが、何とか考えをまとめ、作品をお借りして回る。私の场合は展示プランも自分で考えるが、それも楽しい。そして会场に多くの方が来てくださった时、心の底から喜びが涌き上がる。
しかし、美术の本を作ることには、展覧会と比べられない面白さがある。テーマと构成を考えながら作品を集めるのは同じだが、展覧会では実现が难しい构成もできるからだ。
《鸟獣戯画》は、有名で人気の高い作品だけに、その歴史上の位置付けに、私はもどかしさも感じてきた。絵の素晴らしさは繰り返し説かれ、絵巻の成立に関する研究も重ねられてきた。昨今は时代を飞び越えて、マンガやアニメの元祖と称えられてもいる。だが、《鸟獣戯画》の遗伝子を受け継ぐ动物の絵が、后代に描かれてきたことは、どれほど知られているだろうか。《鸟獣戯画》なしでは生まれなかった动物の絵の歴史があるのに、放置されてきたのだ。
こんな歴史、つまり、《鸟獣戯画》と「その后の歴史」を眺める展覧会を企画するつもりで作ったのが、この本である。高山寺の《鸟獣戯画》やいくつかの模写、そして、《鸟獣戯画》の遗伝子が花开かせた様々な作品を集めた。《鸟獣戯画》が広く知られるようになったのは明治时代以降だという人もいるが、すでに江戸时代、伊藤若冲(じゃくちゅう)や曽我萧白(そがしょうはく)歌川国芳ら多くの画家が、《鸟獣戯画》さながらの动物たちの相扑の様子を描いている。もしこんな展覧会が开かれたら、《鸟獣戯画》が、実际に日本の愉快な絵の大きな源流になったことがはっきりするだろう。加えて、动物の心に温かな目を向け、また、それを味わえる絵を慈しんできた日本の人々の心の歴史をも、作品を前に深く感じられるに违いない。
本书は、「たのしい日本美术」のシリーズの1册である。同じシリーズの『日本おとぼけ絵画史』は、刊行から3年后、「へそまがり日本美术」とタイトルを変えて、展覧会となった。同じように『鸟獣戯画の国』も、いつか展覧会に……との梦を捨てきれずにいる。
金子 信久
讲谈社
136页、2,400円〈税抜〉
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。