执笔者プロフィール

柴崎 信叁(しばさき しんぞう)
その他 : ジャーナリスト塾员

柴崎 信叁(しばさき しんぞう)
その他 : ジャーナリスト塾员
副题の「美しきもの见し人は」は19世纪のバイエルンの古典主义诗人、アウグスト?フォン?プラーテンの诗『トリスタン』から夭折の诗人、生田春月(いくたしゅんげつ)の訳を借りた。
美しいものに魅せられた魂が死に导かれてゆくという诗の比喩は、トーマス?マンの『ヴェニスに死す』で主人公の作家、エッシェンバッハにそのまま託して造形された。
あのルキノ?ヴィスコンティ监督の名作映画の冒头、蒸気船のデッキに身をまかせた主人公をマーラーの交响曲第5番のアダージェットが包み込む场面を思い起こせば、そのモチーフは十分に伝わるに违いない。
この本は古今东西の絵画作品が、歴史のなかで「见る人」のまなざしによってどのように発见され、あるいは流転を重ねてきたのかを、その时代とかかわった人々や社会の动きを通して描いている。画家の禀质(ひんしつ)と作品の伎俩(ぎりょう)を中心に论じられる美术史とは一线を画した物语である。
そこには画家自身にくわえて作品のなかのモデルや蒐集家、政治家やパトロン、ジャーナリズムなど、作品のすそ野にわたる多彩な関与者が登场する。だれもが「美しきもの见し人」であり、それが时に作品の运命ばかりか歴史の歯车を动かす。
辛亥革命で最后の皇帝溥仪のもとから中国各地を流転した北宋时代の名画は、冷戦时代に周恩来の决断で米国への流出を抑えて北京の故宫へ舞い戻る。犯罪者でもあったカラヴァッジョに『圣マタイの召命』を描かせたある枢机卿の哀しみとは何だったのか。鏑木清方(かぶらききよかた)が名画『筑地明石町』に映したもう1人の同时代の女性、樋口一叶──。カンバスの里に隠された挿话は、名画に対する新たなまなざしを呼び起こすだろう。
ふんだんにカラー図版を使ったうえで、表纸やデザイン、レイアウトなど造本に力を注いだ。「情报」としてではなく、纸の出版物としての评価を仰ぎたい本でもある。
表纸に用いた『日本式広间にいる画家の子供たち』は19世纪のスペインの画家、マリアノ?フォルトゥーニの作品である。はるか远い「日本」への幻影を通して、画家がある日本人外交官と结んだ终章の奇谭とともに、絵画という表象が歴史に働きかける不思议な力を考えたい。
柴崎 信叁
幻戯书房
240页、2,800円〈税抜〉
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。