执笔者プロフィール

中岛 隆信(なかじま たかのぶ)
商学部 教授
中岛 隆信(なかじま たかのぶ)
商学部 教授
笑いは身近な感情表现だが、いざ何かと问われると答えるのが难しい。これまで多くの哲学者や心理学者がその谜を解明すべく格闘してきた。曰く、笑いとは、优位に立つこと、机械的なこわばり、鬱积した心的エネルギーの放出、予想と现実の不一致等々。どれも笑いの一面を説明するものの完全ではない。なぞかけは谁も见下さず、こわばってもいない。ダジャレはエネルギーの放出ほど大袈裟でなく、乗り物酔いは予想と现実の不一致から生じるが笑えない。
落語やお笑いは以前から好きだったので、いつか笑いを研究したいと思っていた。そのきっかけは、NHK Eテレ『オイコノミア』での又吉直樹氏との共演である。同氏からお笑いの世界について直接話を聞けたことで、この未知の世界に足を踏み入れようという気になった。
笑いの源泉は世の中の不自然さにある。それに対して、无视もせず、解决しようともせず腹も立てないのが笑いだ。いったんアタマで受け入れ、咀嚼し、最后に心を解放しているのである。だが、谁もがいつでも笑えるわけではない。そこに至るまでには何らかの条件があるはずだ。心理学、脳科学、临床心理の先生方から多くのヒントをいただき、思索をめぐらせた结果、辿り着いたのが「不自然さをもたらした主体への亲しみ」と「不自然さに対する非当事者性」という2つの条件だった。亲しみがあるため受け入れはするものの、非当事者性ゆえに深く関わらず心の解放ができる。こうして不自然さの発见/创作から心の解放に至るまでの「四段阶説」が完成した。
この四段阶をクリアするハードルは、私たちを取り巻く环境や自らの脳の状态により、高くなったり低くなったりする。これが笑いの多様性だ。笑いのビジネスは、このハードルを効率的に下げるための技を开発する竞争だと解釈できる。
笑いという机能が退化しなかったことも纳得がいく。脳の働きを进化させ、高度な社会性を身につけた人类は、同时に人间特有のストレスと対峙せざるを得なくなった。不自然さから心を解放する笑いはこうした人类にとって不可欠なものになったのだ。现代を生きる私たちは笑いをもっと活用すべきなのである。
中岛 隆信
庆应义塾大学出版会
212页、1,800円(税抜)
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。