执笔者プロフィール

松田 隆美(まつだ たかみ)
文学部 教授
松田 隆美(まつだ たかみ)
文学部 教授
本书は、庆应义塾大学出版会から刊行されている「世界を読み解く一册の本」シリーズの1册である。冈部正裕氏による斩新なブックデザインで统一された丛书で、第1期として10册の刊行が始まっている。
「全ての被造物は、书物や絵画のように、私たちにとっての镜である」というラテン语の1文がある。これは12世纪ヨーロッパの哲学者リールのアラヌス作とされる短诗の1行目で、世界の全ての事象は何らかのメッセージを隠していて、世界は1册の书物のように読み解けるというメッセージを込めている。それならば、人类は、その解読のための键を収めた书物、つまり世界を読み解く本を提供し続けてきたのではないかという视点から、东西の多様なジャンルの书物を今あらためて検讨するのがこのシリーズである。
候补としては、宗教的な圣典(シリーズに含まれるのは『圣书』、『クルアーン』)、百科事典的な书物(同じく『言海』や『百科全书』)、世界像について考えるきっかけとなる大小のナラティヴ(同じく『西游记』やボルヘス)など、さまざまな书物があるが、いずれも时代を越えて読み継がれ、古典として受け入れられてきた。
そうした1册として、私は14世纪イギリスで活跃したジェフリー?チョーサーが着した『カンタベリー物语』を选んだ。この作品が西洋文学を代表する古典の1册という理由だけでなく、ヨーロッパ中世の文学ジャンルの全体像を见据えて书かれた、冒険的な物语文学だからである。
『カンタベリー物语』は、29名の巡礼たちが、ロンドンからカンタベリー大圣堂へと向かう道すがら、顺番に话を披露するという物语集である。职业も身分も异なる巡礼たちが、前提も机能も异なる多様なジャンルの话を语り合い、一绪にカンタベリー大圣堂という1つのゴールを目指すという、フィクションでしか実现されない设定の下で、ダイバーシティを尊重し、全てを包み込むような世界像が描き出されてゆく。
今后1~2年でシリーズの他の巻も続々と刊行される予定である。丛书の案内人「せかよむキャット」に代わって、お勧め致します。
松田 隆美
庆应义塾大学出版会
256页、2,400円(税抜)
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。