执笔者プロフィール

池田 浩士(いけだ ひろし)
その他 : 京都大学名誉教授塾员

池田 浩士(いけだ ひろし)
その他 : 京都大学名誉教授塾员
21世纪もすでに5分の1が过ぎようとしている现在、「革命」はもはや死语同然であるらしい。
中等部2年生だった1954年の春、同级生の家に游びに行って、部屋に置かれた朝刊に「ディエンビエンフー陥落」という大见出しが跃っていたことを、鲜やかに记忆している。のちに知ったところでは、それはベトナム革命の幕开けだった。
その同级生とはいまも亲交を重ねているが、日本でベトナム料理が简単に味わえるようになった昨今、その国の独立と革命に思いを致す人はほとんどいないだろう。ロシア革命の果てにソ连が歩んだ悲惨な道も、いまや歴史の霞(かすみ)の彼方でしかない。
ドイツ革命は、さらに远いのかもしれない。ドイツ革命のことを书いている、と话した私に、その旧友は「ロシア革命はわかるけど、ドイツ革命って、あまり闻かないなあ」とつぶやいた。たしかに、ヒトラーとナチスに対する関心と比べて、ドイツ革命は、その存在すら意识されていないほど、影が薄いのだろう。
ドイツ革命に対する私の関心は、文学や芸术の领域についての関心と重なっている。人间はなぜ、虚构(フィクション)に过ぎない小説や诗に心を寄せるのだろうか。自分のいま生きている现実世界が、ありうる唯一の世界なのではない、という思いが心のどこかにあるからだ。ありうる别の现実、あるべき别の现実を梦みることは、人间のすぐれた资质に违いない。
别の现実へのこの梦が、ドイツ革命においても、政治の领域での変革だけでなく、文化の领域での画期的に新しい表现を模索したのである。その文化革命を体现したのは、资本主义体制の维持と议会制民主主义を主张した党派ではなく、「レーテ」(评议会)による変革を目指した诸集団だった。そして、これらの人々を军事力で圧杀した党派によって制定されたのが、「ヴァイマル宪法」だった。この宪法が、ヒトラー独裁への道を开いたのである。
レーテ派を歼灭するためにヴァイマル宪法に盛り込まれた大统领非常大権を、ヒトラーは批判势力弾圧のために駆使した。ドイツ革命について考えることは、肯定的にのみ语られるヴァイマル民主主义を、根本から考えなおすことでもあるだろう。
池田 浩士
现代书馆
384页、3,000円(税抜)
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。