执笔者プロフィール

ピーター?ポマランツェフ(着)

ピーター?ポマランツェフ(着)

池田 年穂(訳)(いけだ としほ)
その他 : 名誉教授
池田 年穂(訳)(いけだ としほ)
その他 : 名誉教授
〈ナボコフは、天敌から身を隠すために、発生过程の初期の段阶において色を変える方法を学ばなければならなかった蝶の种について述べたことがある。その蝶の天敌はとうの昔に絶灭していったが、それでもその蝶は変身するという纯粋な快楽のために今でも色を変えている。似たようなことがロシアのエリートたちにも起きたのだ。〉これは、新たな「権威主义(オーソリタリアニズム)」体制の创始者プーチンの懐刀スルコフの面妖なパーソナリティを论じた章にある记述だ。
1977年キエフ生まれの着者は、ユダヤ系で反体制派の両亲に伴われ生后すぐにソ连から亡命したイギリス人である。2001年からの10年间をテレビ局勤めなどしながらロシアで过ごしたが、それはロシアが石油バブルに沸き、プーチンの治政が続く时期とみごとに重なる。その间の见闻を元に、ロシア社会の断面を、ロシア人のメンタリティの因(よ)るところを、世界をリードするロシアのプロパガンダや剧场型政治を鲜やかに描いてみせ、英国王立文学协会オンダーチェ赏を受赏した。昨年1月に来塾し讲演したティモシー?スナイダー氏も着书『暴政』(原着?拙訳とも2017年)で必読の书として挙げているほどだ。
登场する何十人ものロシア人は、上は新たなジェット族(セット)となったオリガルヒから、下は妹をイスラム过激派から抜け出させて一绪に働けると喜ぶ売春妇、元ギャングの映画监督、カルトに食い物にされるスーパーモデル、新兵虐めで死にかける若者などまで、まことにヴァラエティに富んでいる。また、取材地域も11の时间帯を持つロシアの各地に及ぶ。
贿赂(カネ)とコネがなければ生きてゆけぬロシアの世情、スピンコントロール、皆が少しでも権力(クレムリン)の近くにいたがるために起きる地上げで破壊される古き良きモスクワ、富裕层のマネーロンダリング等々、着者の描く世界はディストピア的であろう。けれど、个々の人间に向ける眼差しは温かく、多彩なエピソードにはイロニーもユーモアも备わって、优れた短编小説を読む趣さえ感じさせる。谢辞にも含めたが、铃村直树には今回も独?北欧関係で知恵を借りた。病床に本书を届けた际に见せてくれた笑颜を思い出しつつこれを记す。
ピーター?ポマランツェフ(着)、池田 年穂(訳)
庆应义塾大学出版会
324页、2,800円(税抜)
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。