执笔者プロフィール

白木 信一郎(しらき しんいちろう)
その他 : あけぼの投資顧問株式会社代表取締役塾员

白木 信一郎(しらき しんいちろう)
その他 : あけぼの投資顧問株式会社代表取締役塾员
インドの成长の轨跡
世界2位の人口13億人を抱えるインドが、市場関係者の注目を集めている。世界1位の14億人を抱えて高成長を成し遂げた中国経済は近年、米国との貿易摩擦や国内の不良債権問題によって綻びが目立つ。その中国と比べて、インドは30歳未満が人口の半分以上を占めており、労働人口増加という人口ボーナスによる追い風を受けやすい環境にあることから、今後の経済成長の潜在力では勝っているように思われる。2019年5月の下院総選挙では、モディ首相率いるインド人民党が前回2014年の結果を上回る議席を獲得して大勝した。経済改革の推進を看板に掲げて政権運営を担ってきたモディ政権の安定的な継続は、イ ンド経済にとってもプラスに働く。
1991年秋、塾経済学部の大岛通义ゼミに所属していた私は、インドにおけるODAの実态调査という、ゼミの内容とはかけ离れた理由で、比较的长期のインド旅行を敢行した。北部を中心にバックパックで各都市を访ね、インドの世俗、人々の暮らしぶりを目の当たりにし、多様な文化が入り混じるインドの魅力を存分に楽しんだ。その顷のインドの人口は8.6亿人、GDP総额は约29兆円であった。2018年には人口が13.5亿人、GDP総额が约293兆円と、経済の急成长ぶりが窥える。その间、主要都市には高层ビルが立ち并び、自动车道が整备され、几つかの地方都市も急成长を遂げた。
高度人材の国际进出
91年当时、英语が公用语の1つであることからインドのビジネス成长の可能性を予见する向きもあったが、纸币に印刷してある公用语、準公用语が17もあることから分かるように、地域による文化の差は大きく、州によって制度もインフラもバラバラであった。また、1950年に宪法17条によって禁止されたはずのカースト制度に基づく差别も根强く残っており、雇用面も大きな问题を抱えていた。そのため、インドの优秀な人材は米国、英国をはじめ海外に流出し、IT业界、金融业界を中心に头角を现していた。その顷には、日本に进出していた外资の金融机関のシステム部门にも多くのインド人が働いていた。
最近、私たちの投资候补案件の中にもインド国内のIT公司や不动产関连公司を见かける机会が増えた。外资诱致に积极的なモディ政権は、投资规制缓和、法人设立手続きの简素化、インフラ整备等を进めてきた。中国におけるコスト上昇の影响もあり、国际公司の中にはインドへの製造拠点の移転を検讨するところも増えていると闻く。
また、米国株式市场の时価総额上位を轩并みIT公司が占める中、大手IT公司におけるインド出身の従业员の比率が高まるのと合わせて、インド系CEOの诞生も目立つようになっている。マイクロソフト、グーグル、アドビ等の米国を代表する公司のCEOはインド系である。
ベンチャー投资市场の课题
このように、隆盛が目立つインド経済だが、国内のベンチャー投资に焦点を绞ってみると、少し别の景色が见えてくる。ベンチャーキャピタルからベンチャー公司への投资は、2015年にピークをつけて以降、减少倾向にあり、2017年にはピーク时の半分程度に落ち込んでいる。特に顕着なのが、スタートアップ公司に対する投资の减少だ。
その理由を私なりに考えてみると、(1)インドでのITビジネスは既に中国などで确立されたビジネスモデルの移植が多い。他国の竞合相手もインド参入を虎视眈々と狙っていたため、自国スタートアップには厳しい状况である。(2)中国と异なり、インドは英语が公用语であるため、中国(韩国、日本)のような自国の言语を差别化要因とした囲い込みが难しく、他国公司に先行を许しやすい。(3)インドマーケットが巨大であるため、海外に目が向きにくい倾向があった。(4)米国では収益?利益が计上される前のスタートアップ公司であっても、大手IT公司による买収や资本提携が日常茶饭事である。それに対して、インド公司は情报开示に消极的なことから、外资による买収が起こり难い等、ベンチャー投资家にとっての出口戦略が限られてしまう。
ちなみに、私どもが个别で见ているインドのITベンチャー公司の中で、最近业绩が好调に推移しているのは、中国国内市场のシェアの切取りに成功した公司である。竞争の激しい业界において、今后はますますクロスボーダーでの売上げを念头において事业を考える必要がある。
もっとも、世界に类を见ないほど多様な文化に里付けられるインド市场を网罗的に理解することはほとんど不可能であろう。しかし、大国となる运命にあるインドに対する投资机会は、今后増加することはあっても减ることはないと考えられ、知らないではすまされない。そして何より、インドは面白いのである。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。