执笔者プロフィール

関 直行(せき なおゆき)
丸善雄松堂株式会社 古書?稀覯書担当
関 直行(せき なおゆき)
丸善雄松堂株式会社 古書?稀覯書担当
私は会社员として二十数年间、古书の仕入?贩売という仕事に携わってきたが、その経験の中から、どのように古书と出合い、またお客様と古书との出会いの场を提供してきたかをご绍介したい。
各都道府県の古书组合に加盟している古书店は、组合が主催する古书?古本の市(交换会)に参加することができ、そこで売り(出品)、买い(落札)の双方を行うことが可能である。特に东京古书组合が主催する交换会は、和汉の古典籍、洋书、美术系、资料関係など専门が分かれており、全国から品物が集まるため、出品?落札共に多くの业者が集まる。多くの古书店は仕入?贩売にこの交换会を利用することが多い。
一方で、私が勤める丸善雄松堂も组合加盟书店として交换会にも参加はするものの、一般的な古书店の仕入?贩売とは毛色が异なり、大学を中心とする研究机関や図书馆、公司、官公庁などへの古书の外商贩売が主轴となっている。この10年程は、丸善日本桥店内の店舗内店舗である古书専门店「ワールド?アンティーク?ブック?プラザ」(奥础叠笔)を运営しており、一般の方向けの贩売を行っているが、全体的には、外商中心であると言える。
そのような外商営业の派生形として、「出张古书展」を开催している。「出张古书展」とは私の造语だが、営业部の协力のもとに、场所を借りて短期间行う古书の展示贩売である。
主に各地方の丸善店舗の一部を借りて开催することが多く、私自身は名古屋、福冈を担当することが多かった。各店舗の催事スペースにてガラスケースに入れた古书を展示?贩売しているが、足を止めてご覧になるお客様も多い。また「お宝」的な稀覯本を出品することもあるので、地元のテレビ局が取材に来てくれ、ニュースで取り上げられて集客に大いに役立ったこともあった。外商のお客様のみならず、一般のお客様にもご购入いただける贵重な机会となっている。
记忆に残っているお客様は、福冈での出张古书展の际、林子平『叁国通覧図説』をお求めくださった方。同书は、天明5(1785)年、林子平により书かれた地理书で、日本に隣接する3国(朝鲜?琉球?虾夷)と付近の岛々についての风俗などを挿絵入りで解説した书物と付属の地図5枚からなる。こちらを当时の目玉として展示したところ、一般の方がご関心を示してくださった。その方は地元の开业医の方で、普段古书をお求めになる方ではなかったが、本书をご购入になられたことがきっかけで、古书?古地図を収集されるようになった。古书収集の魅力をこういう形でお伝えできるのもこの仕事の醍醐味の1つである。
これらの古书をどのように入手しているのかというご质问を受けることがある。丸善雄松堂の场合、海外からの仕入の方が国内に比べ割合は圧倒的に多い。海外の古书店からの目録や个别案内を吟味して仕入をしている。また欧米の古书店や、古书?稀覯书のブックフェアを访问して买い付けることもある。
买い付けの思い出を1つ。十数年前ロンドンの古书専门のブックフェアを访ねた折、ある古书店主から、「日本人ならこういうものに関心はあるか」と言われ、见せられた1册の小册子があった。大小の汉字が整然と并んでおり、金额が印刷されている。约20页のものにしては安くなかったが、注文し帰国后调査したところ、日本で言う幕末期を中心に、上海を拠点に活动した印刷所「美华书馆」の活字见本帐と判明した。同馆は、北米长老会が设立した印刷所であり、中国人向けのキリスト教书を出版していた。现存するこの印刷所の活字见本帐は极めて稀である。本书はある机関に纳入したが、以后もこの印刷所の出版物を中心とした、近代アジアの印刷?出版文化について调べることが私の古书业者としての関心の1つとなっている。
出版文化に関わる古书との出合いで、庆应义塾にも関係の深い话で缔めくくりたい。
前述の交换会にある日参加した际、杉田玄白『兰学事始』(明治2年刊)が出品されていた。本书は幕末期に写本が発见され、その重要性を认识した福泽諭吉の斡旋で刊行に至った木版本で、古书市场に现れるのは珍しい。入札したものの、その际は落札できなかった。その后関西地方での出张古书展の后、恳意にしていただいている古书店を访问し、茶饮み话で同书を落札しそこねた话をすると、何と「その本ならうちにもある」との言叶。仓库を探してもらうと、确かに『兰学事始』である。しかも、福泽諭吉の弟子である吉田贤辅が朱笔を入れた校正本と思われる物であり、惊喜した。ちょうど福井県?敦贺市の知育?启発施设「ちえなみき(运営は丸善雄松堂他)」にて出张古书展を行った直后であり、玄白が敦贺を领した小浜藩医であったことに思い至り、この巡り合わせに奇縁を感じたことだった。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。