执笔者プロフィール

须黒 达巳(すぐろ たつみ)
一贯教育校 幼稚舎理科教諭
须黒 达巳(すぐろ たつみ)
一贯教育校 幼稚舎理科教諭
画像:庆应义塾幼稚舎创立150周年式典(5月30日、日吉记念馆)
小学校である幼稚舎は、いろいろな场面で児童と生きものの関わりを见ることができます。クラスで昆虫やカメを饲育している场合もあれば、1年生が全员育てるアサガオや、「园芸の会」という児童の集まりで栽培する花や野菜もまた生きものです。自分で育てたイモムシがさなぎやチョウへと姿を変えたり、植物が花を咲かせて実をつけたりするのを间近に観察することは、现代の都市に生きる児童たちにとっては贵重な机会です。これらの场に加えて、児童が存分に生きものと接することができる理科関係の施设があります。「动物小屋」では、ニワトリやアイガモ、小动物を饲育展示しており、昼休みなどに触れ合うことができます。「サイエンスミュージアム」では、国内外の淡水鱼などの生体のほか、现生?化石の様々な动植物の标本を展示しています。いずれも、幼稚舎の理科が古くから「本物に触れること」を大切にしており、高い热意を注いでいるために造られた施设です。
そして、このテーマを语るうえで欠かせない场所が、幼稚舎が夸るビオトープ、「理科园」です。ここには、コンパクトながら、畑、池、草地、树林などの要素が混在し、都心部とは思えない多様な生きものたちが生息しています。この环境を利用して、理科の授业では、季节ごとに虫や花などの生きものを探す活动をします。この时、ハチのように危険なものを除いて、「採ってはいけないもの」は基本的にありません。児童が手で集める程度の负荷なら许容できるくらい良好な环境なのです。これにより、幼稚舎の理科のモットーである「採集理科」を构内で実现することができます。手と目と头、时には耳や鼻、舌まで使って、いろいろなものを発见する中で、児童は様々な刺激を受けており、低学年から高学年まで、梦中になって活动します。
こうした生きもの探しを、授业外の时间に「おかわり」する児童もいます。例年数人の虫採りメンバーがいて、私が同伴できる日なら、昼休みや放课后に理科园で自由に活动しています。彼らの腕前は大したもので、暇があれば构内で虫を探している私でさえ初めて见るような虫を採ってくることも珍しくありません。それはチョウやクワガタのような「花形の虫」ではなく、ハエやカメムシ、ガ、クモといった地味な虫や、果てはハネカクシやホソカタムシのような、一般の方にはまったく姿が想像できないであろうマイナーなものも含まれます。彼らにとってはこうした时间は本当に幸せなようで、作文にもよくそのことを书いてくれます。
何人かは卒业后も付き合いが続き、理科园を访れたり、一绪に山に出かけたりしています。これを読んで无意识に男子児童をイメージした方もおられるかもしれませんが、虫採りメンバーの男女比は半々くらいです。虫が好きかどうかに本来は男女差などないのでしょう。上手にハエを捕まえる女の子や、毛虫を手に乗せる女の子、ごま粒より小さな虫を见逃さずに见つける女の子などが今までにいました。高学年になっても虫が好きというような子は、芯のある素敌な子だと微笑ましく见ています。
総じて言えることですが、生きものとの関わりの中で得られるものは、将来生物学や医学の道に进む児童にとってのみ大切なのではありません。何かに梦中になったり、「なんだかおもしろい」と感じたりすることは、豊かな感性や好奇心を育てることに与すると私は考えています。色々なことを「おもしろい」と感じられることは、人生に彩りを与えます。もっと実利的に言えば、自分の仕事につながるヒントを広い范囲から集められる视野を得たり、ストレスを発散する机会を増やしたりと、どんな道に进んだとしても「役に立つ」面さえあるでしょう。
ストレス発散といえば私は先日、自宅の庭でしゃがんで地面を见ていて、「ハモグリバエ」という小さなハエを见つけたのですが、じっと见ていると、このハエがコケに卵を产みつけました。コケに产卵するハモグリバエは、ほんの数年前まで、日本では见つかっていなかったのです。まさか自宅の庭にいたとは! と気づいた瞬间、得も言われぬ爽快な気分がし、自分の中のストレス値が瞬时に激减したのを感じました。特殊な例かもしれませんが、私はこうした体験の积み重ねによって心の健康を维持しているのだと思っています。
个人の人生の充実にとどまらず、大きな视点に立つと见えてくる意义もあります。人间が地球上の生物资源をこの先も利用し続けていくには、新しい世代の子どもたちが、命や生物多様性を慈しむ感覚を备えていることが必要です。持続可能性についての意识は近年社会で高まっているとは感じますが、これから様々な分野でリーダーになるであろう幼稚舎の児童がこうした感覚を身に付けてくれたら、本当に状况は今より良くなると信じています。
そんなことを思いながら、私は今日も児童と生きものの関わりを见つめています。
※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。