午夜剧场

慶應義塾

中岛 由贵:人间にこだわるドラマを

公开日:2025.07.24

执笔者プロフィール

  • 中岛 由贵(なかじま ゆき)

    その他 : 日本放送協会(NHK)ドラマ チーフ?ディレクター文学部 卒業

    1992文

    中岛 由贵(なかじま ゆき)

    その他 : 日本放送協会(NHK)ドラマ チーフ?ディレクター文学部 卒業

    1992文

私は狈贬碍に入局して以来、主にテレビドラマの演出を仕事としている。连続テレビ小説、现代剧、时代剧、ファンタジー、アクション……比较的多岐にわたるジャンルを手掛けてきた方だと思う。最近の仕事は大河ドラマ「光る君へ」のチーフ演出。ちなみにテレビドラマの演出とは、映画における监督のようなものである。私にとってテレビドラマを作ることは、人间と向き合う作业だ。リアルに生きている人间を追いかけ、记録するドキュメンタリーとは违い、ドラマの基本はフィクション(创作)。実在の人物を扱うこともあるが、フィクションだからこそ许される切り口で、「人间」を深堀りし、なかなか表に出て来ない感情や多面性を见つけ、表现すること、これこそドラマ作りの醍醐味だと考えている。限られた时间の中で凝缩して见せなければならない為、何に焦点を当てるか、どこを切り取るか、毎回悩ましくはあるのだが、「人间とは何か」という、古代ギリシャ时代からいまだ答えが出ないこの问いに対して、手を変え品を変え、映像を通してアプローチしていきたいと思っている。

ドラマ制作の最重要ポイントは、脚本作り。演出が実际に「书く」ことは稀だが、企画が决まったら脚本家と番组プロデューサーと共に、脚本作りに着手する。ドラマの出来の半分以上は、脚本で决まると言っても过言ではない。かつて日本のトレンディドラマを模倣していた韩国ドラマ界は、今や日本を軽々と追い抜き、世界市场を席捲している。それは脚本作りに注ぎ込むパワーが大きいから。强い物语は、人の心を捉えるのだ。日本はどうだろう。「タイパ」「バズる」というワードが飞び交う中、结末が分かった上でドラマを见たい、感情を揺さぶられたくない、辛いものは见たくない、という视聴者の気持ちを私に説いてくる人がいる。しかし、そこに合わせていたら强い物语は生まれないのではないだろうか。つるんとした、闻き分けのいい人间ばかりが登场するドラマは果たして面白いのだろうか。

社会生活の中で、人は色々な感情を封印している。せめて、ドラマを见ている间だけでも、泣いたり笑ったりイラッとしたり、普段押し杀している感情を表に出してもらって、见终わった后に「人间って捨てたもんじゃないかも」と思えるような、そんなドラマを、时间が许す限り作り続けていきたいと思う。

※所属?职名等は本誌発刊当时のものです。